D&D4版で導入された新しい概念である叙事詩に残る宿命により、君にふさわしい宿命が決定され、君のおこないは歴史となり、次元界を旅する人々は君のことを語り継ぐ。エピック・キャラクターは途方もなく強力で、彼らは壮大な宿命を背負って常人の想像を越える偉業をなしとげる。叙事詩に残る宿命により、君は強力なアーティファクトを意思力で束縛するかもしれないし、世界を破壊する危機と戦うかもしれない、神力を得たり、君が偉大な英雄の化身であると気づいたり、自然の力となったり、永久に語り継がれる怪談となるかもしれない。
すべての叙事詩に残る宿命は君に不死――真に終わらざる生か永遠に生きるための遺産――を与える。どちらにせよ、君は定命のくびきを越えて活動する。君は世界から去るかもしれないし、新たな英雄として転生するかもしれない、英雄的な死を迎えるかもしれないし、神力を得て神格に昇華するかもしれない。これは君が行なってきた冒険の終着点で、君のキャラクターがたどってきた物語に満足な結末を与える。だがそれは君の物語が結ばれるというわけではない……そこにも君をふたたび冒険へ向かわせる無数の方法がある。ここで紹介する不死の形はDMが君の叙事詩的英雄が遺したものを将来のキャンペーンに取り入れるかもしれない方法を含んでいる。
君は偶然や経験点によって叙事詩に残る宿命を手に入れることはできない。君が行なう最後の冒険、DMがよく考えて用意したそれによって、君は不死を手に入れる。グループ全員が叙事詩に残る宿命を持つなら(君が叙事詩に残る宿命を君のキャンペーンで使っているならどちらが推奨されるだろうか)、DMはいちどの特別な冒険でキャンペーンを終わらせることができる。君は30レベルに達するよりずっと前から宿命の偉業に向けて努力を積み重ねているだろう。君を宿命の偉業へと導くこととなりそうな情報に気を配っておくこと。
叙事詩に残る宿命を使うにあたり君は多くの選択肢を持っている。すべてのグループが30レベルでキャンペーンを終えることを望んでいるわけではないし、すべてのDMが君の宿命に合わせてキャンペーンを終えたいと望んでいるわけではない。不死と宿命の偉業についての提案は取捨選択されるべき項目である。君が宿命の偉業を終えるべきとき(または君がもっと遊びつづけるか)は君と君のDMにゆだねられている。
4版のコアルールにおいて、叙事詩に残る宿命はエピック・プレイの特徴的な側面である。叙事詩の階梯は3版のエピック・レベルとは異なり、終演に向かってプレイされる。これは通常、たとえばオルクスや、ことによれば悪の神格など、世界に降りかかる強大な脅威と対峙することを意味する。
この記事の叙事詩に残る宿命は君の憶測通り4版の『プレイヤーズ・ハンドブック』にある要素を含んでいる!
通常、君は叙事詩に残る宿命を《叙事詩に残る宿命》の特技を取得することで得ることができる。これにより君は21、24、27、そして30レベルでの特技スロットを使用する。(君のクラスによるボーナス特技は得ることができる。)君のDMは、グループの全員が叙事詩に残る宿命を持っているなら、叙事詩に残る宿命を特技とみなさないとするかもしれない。君はDMに叙事詩に残る宿命が彼のキャンペーンでどう使われるか質問すること。
叙事詩に残る宿命は4つの部分からなる:
クラスの特徴に影響するすべての効果は叙事詩に残る宿命の特徴にあてはまる。
新しい特技:《叙事詩に残る宿命》/Epic Destiny
君は他の冒険者以上の宿命を背負っている。
前提条件:21レベル、叙事詩に残る宿命の解説にある前提条件。
利益:叙事詩に残る宿命をひとつ選ぶ。君は21、24、27、そして30レベルでその叙事詩に残る宿命の利益を得る。君がこの特技を持っているなら、君は21、24、27、そして30レベルで追加特技を得られない。
魔法のアイテムが持つ力は君を魅了し、そして君はさらにたやすく彼らを使うすべを身につけた。君がアイテムを持つとき、君はそれを形成する魔法の経絡をたどることができ、他の誰よりもそれについて理解――製作者がアーティファクト・ロードでないなら、その製作者より深く――できる。君が魔法のアイテムを使うほど、彼らと君の関係は近くなり、君は彼らを守る能力を手に入れるとともに君の魂さえも彼らの中に置くことができるようになる。そして、アーティファクトさえも君をあるじと認めるようになる。
前提条件:21レベル。
アーティファクト・ロード | |
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レベル | 利益 |
21 | 不可能な起動、アイテム再装填 |
24 | 魔力消滅返し |
27 | 霊魂転送 |
30 | アーティファクト支配 |
不可能な起動(変則):21レベルで、君は魔法のアイテムの起動を防ぐ効果を無視できるようになる。たとえば、サイレンスの影響下でも君は起動の命令を口にでき、支配されていたり気絶状態にあっても精神的命令が必要なアイテムを起動できる。これは君が前提条件を満たしていないアイテムにはあてはまらないが、君が行なう全ての〈魔法装置使用〉判定は出目が20となる。
さらに、君は魔法のアイテムを起動させることによって機会攻撃を発生させることはなくなる。
アイテム再装填(変則):21レベルで、君は魔法のアイテムを最大限に利用できるようになる。1日1回即行アクションで、君はチャージを持つアイテムに1チャージを加えるか1日の使用回数が限定されているアイテムを余分に使用することができる。チャージを使う複数の機能(たとえばスタッフ)があるか複数の機能を1日に何回か使えるアイテムなら、君はどの機能を加えたり余分に使用するか選ぶこと。
魔力消滅返し(超常):24レベルで、君が所持する魔法のアイテムは魔力消滅から保護される。効果(たとえばモルデンカイネンズ・ディスジャンクション)が君の所持しているか、着用しているか、あるいは君の身体にあるアイテムを非魔法的なものにしようとするなら、君はその効果を無視(君のアイテムについてのみ)して(効果の範囲内であるなら)効果を発生させた術者自身に効果を与えることができる。この特徴は君のものであるが、君が持っていないものも守護できる。君のもので着用や所持をしていないアイテムはセーヴィング・スローに君のレベルの半分を得る。
霊魂転送(超常):27レベルで、君は死亡状態となるとき霊魂をアイテムに転送することができる。この能力は1日1回使用できる。君のヒット・ポイントが0になったとき、所有する魔法のアイテムひとつを選ぶ。君の体は青白く光る炎となり、新たな魂の座となった物体はアダマンティン製となる。物体となった君は30フィート(完璧)の飛行速度を持つが、君の転送先が君の肉体に装備に転送されているアイテムなら、君は動くことができない。君はこの形態で呪文を発動させることができ、アイテムを起動することができ、そして武器(や類似したアイテム)になっているなら攻撃することができる。君は通常そうするようにこのアイテムの特徴を使用でき、君は君の肉体が着用している魔法のアイテムのボーナスを加えることができる。
この形態で君は、クリーチャーではなく、アイテムであるかのように攻撃を受ける([精神作用]効果は例外である)。アイテムが破壊された場合、君は死亡状態となる。
アーティファクト支配(超常):30レベルで、君はさまざまなアーティファクトの力を呼び出すことができる。アーティファクト支配によって出現するアーティファクトは、君に少しの力を貸し、その後あるべき場所へと戻る。以下のリストから3つを選択すること。君はこれらの効果ひとつにつき1日に1回即行アクションで起動できる。君がこれらのアーティファクトのひとつを所有しているなら、君はリストの効果を1回余分に使用できる(そしてアーティファクト支配の効果は君が普通にアーティファクトを使用することを妨げない)。
ブック・オヴ・エグゾールテッド・ディーズ:君が秩序にして善、中立にして善、または混沌にして善である場合のみこの効果を選ぶことができる。1時間、君が発動する善の呪文および善の能力は術者レベルが+2される。効果時間のあいだ、君は悪のクリーチャーに対して近接接触攻撃を行ないキャラクター・レベルあたり1d6ダメージを与えることもできる。
ブック・オヴ・ヴェイル・ダークネス:君が秩序にして悪、中立にして悪、または混沌にして悪である場合のみこの効果を選ぶことができる。1時間、君が発動する悪の呪文および悪の能力は術者レベルが+2される。効果時間のあいだ、君は善のクリーチャーに対して近接接触攻撃を行ないキャラクター・レベルあたり1d6ダメージを与えることもできる。
オリダマラズ・ダイス:20フィート以内のクリーチャー(または君自身)を選択する。1d6を振って表を参照しクリーチャーへの影響を決定すること。これにはセーヴィング・スローを行なえない。
出目 | 結果 |
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1 | 1時間攻撃、セーヴ、そして判定に-1のペナルティを受ける |
2 | 10分間ACに-4のペナルティを受ける |
3 | 10分間攻撃と恐怖へのセーヴに+1士気ボーナスを受ける |
4 | 10分間ブラーの効果を得る |
5 | 1時間攻撃、セーヴ、そして判定に+1洞察ボーナスを受ける |
6 | 1時間フリーダム・オヴ・ムーヴメントの効果を得る |
スフィアー・オヴ・アニヒレイション:ディスインテグレイト、術者レベル20に相当する効果。
スタッフ・オヴ・ザ・マギ:君は10+君のレベルの呪文抵抗を1時間得て、5ラウンドのあいだ不可視状態(グレーター・インヴィジビリティの呪文に相当)となる。
鉄と石による不死:君は宿命を完遂すれば、新たな形態をとって休息について永劫を生き、あらゆる破滅をやりすごすことができる。君は自らが設計したアーティファクトの中に本質を分散させることができる。君は次世代の叙事詩に残るべき英雄に発見されるため人格を12の護符に分割することもできる。天翔けるアダマンティンの船となり、超常の感覚で危険を探しそれを終わらせることもできる。君の骨をアーティファクトとし、手に取ったものに力のいくらかをしみ込ませてもよい。そして君の次なるキャンペーンが4版であるなら、君はアーティファクトのルール(ダンジョンマスターズ・ガイドに収録)を使ってキャラクターの新たな化身を作ることができる。
強大な力が世界の終焉や万物の消滅を望むとき、君はそこにいる。君の支配する宿命の力で、君はあらゆる脅威と戦うことができる。君が相対せない危機はなく、万人と万物の命運が賭けられた戦場で、君は勝利者として立ち続けるだろう。君は最も強いクリーチャー――誰からでも無敵と考えられている――をも相手にできる。
前提条件:21レベル。
ブレード・オヴ・ラグナロク | |
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レベル | 利益 |
21 | 不壊の肉体、荒廃の武器 |
24 | 殺戮者の憤激 |
27 | 不止の頑健 |
30 | 宿命の打撃 |
不壊の肉体(変則):21レベルで、君はダメージ減少5/-を得る。他にあるほとんどのものとは違い、これは他のダメージ減少と重複する。君が大規模ダメージを受けた時のセーヴィング・スローは自動的に成功する。
荒廃の武器(超常):21レベルで、君の攻撃はいくつかのダメージ減少を無視する能力を持つ。君は属性打撃(君の属性と一致するもの)、エピック打撃、魔法打撃をの特殊能力(Rules Compendium、100-101ページ)を得る。
君はさらに君が行なう攻撃すべての素材やダメージ種別を模倣することができるようになる。いちどの効果で変更できるのはひとつだけで、変更には移動アクションを使用する。効果は永続する。君は攻撃を殴打、刺突、斬撃、アダマンティン、冷たい鉄、そして銀(ダメージへのペナルティは無し)にできる。
君はさらに君が見ることのできるクリーチャーへの〈真意看破〉判定で(対象は〈はったり〉で対抗する)ダメージ軽減の種類(数値はわからない)を知ることができる。
殺戮者の憤激(超常):24レベルで、君は恐ろしく正確な攻撃を行なえる能力を得る。1日2回即行アクションで、君のターンに行なう全ての攻撃に対して+20幸運ボーナスを得て、クリティカルの範囲を倍にする。さらに、君は攻撃の失敗確率を全て無視したうえに攻撃かダメージのロールで1が出たなら再ロールをすることができる。
不止の頑健(変則):27レベルで、君は通常なら死んでいる状態でも戦い続けられるようになる。君は-10ヒット・ポイントになっても死ぬことはない。そのかわり、負のヒット・ポイントが通常の最大ヒット・ポイントの半分以下になったとき、君は死亡状態となる。
さらに、君はヒット・ポイントが0以下でも戦いつづけることができる。ヒット・ポイントが-1以下になったとき、君は自動的に容態安定状態となって戦いつづけることを選ぶことができる。ヒット・ポイントが0以下でも君が戦い続けるなら、君は攻撃、セーヴ、そして判定に-1のペナルティを受ける。
宿命の打撃(変則):30レベルで、君は攻撃によって強力な敵の防御能力をはぎ取ることができる。君は1日3回この能力を使用できる。攻撃の前に、君はそれが宿命の打撃であることを宣言できる(フリー・アクション)。攻撃が命中したら、DMはクリーチャーが持つダメージ軽減、高速治癒、完全耐性、失敗確率(非実体を含む)、再生、エネルギーへの抵抗、呪文抵抗、そして退散抵抗を列挙する。君は3ラウンドのあいだそれらの利益ひとつを抑止することができる。複数の完全耐性や抵抗の種別があるなら、ひとつだけを選ぶこと。DMは種別だけを列挙し、数値は示さない。たとえば、DMは君にモンスターが高速治癒、炎への抵抗、そして呪文抵抗と言い、高速治癒23、炎への抵抗10、そして呪文抵抗35とは言わない。
永き眠りによる不死:君は宿命の偉業をなしとげた。おそらく、君は君の世界を、君の次元界を、もしくはすべての被造物を葬り去る邪悪を退けたのだろう。君は偉業をなし、君は誰も知らない場所で休息につき、君がもう一度必要とされるまで眠り続ける。君は伝説的な、神のごとき存在となった。それはまた必要とされたときに戻ってくることを予言されたものである。最後の冒険と同じような別の脅威がふたたび生じたとき、君はそれを止めるため蘇るか……君の覚醒が求められるかもしれない。冒険者の一団は心からの願いで君に戦の力を振るってもらうために君を探している。そしておそらく君の新たなキャラクターはこれらの勇敢な魂を持つもののひとりである。
冒険をするうちに、君は少々だが自らの神力を手に入れた。この最初の火花は信仰呪文使いが使うものとは違って、裡から発せられ、信仰や君の達成した偉大な業績によるものではない。君が宿命の偉業へ挑戦するうちに、君は信者の小さな集団を得、彼らは君が完全な神格となるまでのレベルで成長し、君が持つ神力を強化する。
宿命の偉業ではデミゴッドが『Deities and Demigods』にある半神の特徴を使わないことに気をつけること。これはデミゴッドの能力をパーティの仲間と同じにし、より単純化するためである。
前提条件:21レベル。
デミゴッド | |
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レベル | 利益 |
21 | 神格の火花、死の否定 |
24 | 再生の接触 |
27 | 神力招来 |
30 | ミラクル |
神格の火花(変則):21レベルで、君はふたつの能力値に+1体得ボーナスかひとつの能力値に+2体得ボーナスを得る。
死の否定(変則):21レベルで、君は即死させる攻撃への抵抗力を得る。君は死霊術の効果へのセーヴィング・スローに+5幸運ボーナスと大規模ダメージへのセーヴィング・スローに+5幸運ボーナスを得る。君がこれらのロールで1を出したなら、君はダイスを再ロールすることができる。君が死霊術呪文へのセーヴに成功すれば、君は不完全な影響でさえ、受けることはない。
再生の接触(超常):24レベルで、君は回数無制限でリジェネレイト(術者レベル20)を発動させる能力を得る。
神力招来(超常):27レベルで、君は自らを戦闘形態へ移行させることができる。1日1回割り込みアクションで、君はこの能力を使ってヒット・ポイントを最大値まで回復させた上にグレーター・レストレーションの効果を得る。
ミラクル(擬呪):30レベルで、君は1日1回ミラクルを使用できる。君が何かを願ったなら、神格に願う代わりに自らの神力で実現させる。君はミラクルの呪文に必要なすべての経験点と構成要素の代償を支払わなければならない。術者レベルは君のキャラクター・レベルを使用すること。
神格による不死:君が宿命の偉業を終わらせたとき、君はまことの神格(下級であるが)になる。君は自分の領域と権能を創造するか、君と近しい関係にあった神格が君の驚異的な献身に敬意を払って彼の力を与えてくれるかもしれない。君はキャンペーンが終わる前から神格の権能、聖印、そしてその他君の宗教をいろどるものを創造し、君が宿命の偉業を終わらせてからはグループで共有するかもしれない。君が神となるまでたどった冒険の生涯は、君が身につけた力と同じように数奇なものとなっているだろう。君のキャラクターが定命のものに対する脅威に対する旅と戦闘を行なう必要はなくなるが、彼女が他の冒険者に与える影響は終わらないかもしれない。おそらく君がなった神格は君が行なう次のキャンペーンでは優秀な指し手になるだろう。
いくつもの永劫を越え、無数の肉体と、無数の名前で、君は冒険をしては征服してきた。無限に続く死と新生の輪廻の中、無数の国と無数の姿で君は“英雄”と呼ばれてきた。君が死ぬとき、君は常に、新たな英雄として戻ってきた。君の姿はまったくの別物であるかもしれないが、共通の糸が同じ魂の顕現としてこれらを結びつけている。君は力を引き出すことと死そのものと戦うというかつての決意を知ることになる。
前提条件:21レベル。
エターナル・ヒーロー | |
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レベル | 利益 |
21 | 永劫回帰、死の否定 |
24 | 胎動 |
27 | 永遠の再誕 |
30 | あまたの命つどうところ |
永劫回帰:21レベルで、君は死から復活することができる。毎日の夜明けに、君が死亡状態であるなら、君は息を吹き返す(トゥルー・リザレクションのように)。君は復活する場所を決めることができる。(君が決めるとき君はそこに立っていなければならない。)君が復活するとき、君は決めた場所で復活するか死んだ場所で復活するかを選ぶことができる。君は1レベルごとに新しい復活場所を選ぶことができるようになる。
死の否定:21レベルで、君は即死させる攻撃への抵抗力を得る。君は死霊術の効果へのセーヴィング・スローに+5幸運ボーナスを得る。君が死霊術呪文へのセーヴに成功すれば、君は不完全な影響でさえ、受けることはない。
君は即死攻撃と大規模ダメージへのセーヴィング・スローに+10幸運ボーナスを得る。君がこれらのロールで1を出したなら、君はダイスを再ロールすることができる。
胎動:24レベルで、君の体は驚異的速度で回復するようになる。君のターン開始時に、君はレベルに等しい一時的ヒット・ポイントを得る。君がこの一時的ヒット・ポイントを得るとき既に何らかの一時的ヒット・ポイントを持っているなら、それらは重複しない――一番高い値のみを使用すること。
永遠の再誕(超常):27レベルで、君は死の淵からすぐに戻ってくる能力を得る。君がダメージを受けて0ヒット・ポイント以下になったとき(たとえ君が-10ヒット・ポイント以下になったとしても)、君は割り込みアクションとしてこの能力を使用できる。君は0ヒット・ポイントになり、そして君の最大ヒット・ポイントの半分まで回復する。君は1日2回この能力を使用でき、30レベルで1日4回まで増加する。
あまたの命つどうところ:30レベルで、君は過去の姿のうちひとつの力を使うことができる。君は1日1回この能力を使用できる。君がそうしたとき、どの姿を使うか効果のリストから選ぶこと。このクラスの特徴を得たとき、君は戦士の姿が使う武器の種別、術者の姿が使う秘術呪文、使徒の姿が使う信仰呪文、そして逆賊の姿が使う3つまでのオプションを選ばなければならない。
戦士(超常):標準アクションで全力攻撃を行なう。この攻撃で君は、+25の基本攻撃ボーナス、+11の【筋力】修正値、そして+8強化ボーナスと+5ボーナスに相当する特殊能力を持つ魔法の武器(君がこの叙事詩に残る宿命を得るとき、君は武器のボーナスと種別を選ばなければならない)を使用する。君は君に影響を及ぼしているあらゆる呪文の効果や特技をこの攻撃に適用できる。
術者(擬呪):あらゆる呪文リストのうちから7レベル以下の秘術呪文ひとつを選び効果を複製する。この呪文で君の術者レベルはキャラクター・レベルとなる。この呪文を発動するあいだ、君は秘術呪文失敗確率の影響を受けず、君は〈精神集中〉判定に自動成功し、さらに君は呪文抵抗を無効化する術者レベル判定に+10ボーナスを得る。
使徒(擬呪):あらゆる呪文リストのうちから7レベル以下の信仰呪文ひとつを選び効果を複製する。この呪文で君の術者レベルはキャラクター・レベルとなる。この呪文を発動するあいだ、君は〈精神集中〉判定に自動成功し、さらに君は呪文抵抗を無効化する術者レベル判定に+10ボーナスを得る。
逆賊(擬呪):あらゆる呪文リストのうちから8レベル以下で[悪]の呪文ひとつを選び効果を複製する。これは特定の方法で使用すれば[悪]の副種別がつく呪文でもよく、たとえばサモン・モンスターの呪文でも、[悪]として発動するなら認められる。君が逆賊の姿を使うとき、君は既にそうでないなら悪になる可能性がある。顕現の後で【魅力】判定(難易度20)を行なうこと。君が善で失敗したなら、善の軸から君の属性を中立に変更する。君が善でも悪でもない場合、中立から悪に変更する。この呪文で君の術者レベルはキャラクター・レベルとなる。この呪文を発動するあいだ、君は〈精神集中〉判定に自動成功し、さらに君は呪文抵抗を無効化する術者レベル判定に+10ボーナスを得る。
新生による不死:それを避ける君の能力にもかかわらず、君は結局死に直面する。それは克服するにはあまりに強い敵であるかもしれないが、君はふたたび別の命で見えるかもしれない。また、君は宿命の偉業を終わらせてこの体で行なうことが成り足を踏み出すときであると理解したのかもしれない。どの場合でも、君の魂は真なる本質へと還り、君はしばしのあいだ、あらゆる定命のものが及びもつかぬ知識を経験する。そして、君は自分がまた新たな体にいると気づく。今回の顕現は過去生について何かを知っているのか、それとも後から知るのだろうか? この姿は前回のものに似ているのか似ても似つかぬのか? これらすべての質問は君が使う次のキャラクターへの質問かもしれない。
君と自然とのつながりは常に強かったが、これからそれはもっと深くなる。君がどこへ行こうとも、君の本質は君の周囲に風景を現出させ、君は同様に君の環境から力を得る。君は天候の力を顕現させ動物と植物に命令を下して土地の活力に君を守らせたり君の敵を討たせることができる。石の力強さ、水の流動性、そして樹が持つ生の躍動は君のすべてだ。やがて、それらは君と大地を分かちがたく結びつけ、君の魂は一者と合一する。
前提条件:21レベル。
フォース・オヴ・ネイチャー | |
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レベル | 利益 |
21 | 自然の恵み |
24 | 自然の恵み強化 |
27 | みなぎる嵐 |
30 | 環境への変身 |
自然の恵み(超常):21レベルで、君は特定の環境で有利になる永続的な利益を得る。君は下にリストされたうち2つの恵み(君がこのクラスの特徴を得るとき選択する)を身につけ、即行アクションで恵みを交換できる。利益は君が通常の形態であるときと自然の化身(または別形態)であるときに適用される。
生の恵み:君は回数無制限で即行アクションを使用し、近距離(25フィート+5フィート/2レベル)のクリーチャーを治療できる。この効果は君のキャラクター・レベルの半分に等しいダメージを治癒する。君が植物の生い茂る地域(たとえば森や草原)にいるなら、君は高速治癒10を得る。
巌の恵み:君はこの恵みが起動されているあいだダメージ軽減3/アダマンティンを得る。君が自然の化身の能力を持っているなら、君は任意の(地)副種別を持つエレメンタル(通常のサイズとHD制限のうちで)に化身できる。君が岩石の多い地域(たとえば山や石壁のある場所)にいるなら、君は即行アクションで微震を起こすことができる。これは射程が遠距離(400フィート+40フィート/レベル)で地面に立っているクリーチャーに影響を及ぼす30フィート半径の拡散である。影響を受けたクリーチャーは反応セーヴ(難易度20+君の【判断力】修正値)に失敗したら伏せ状態になる。
嵐の恵み:君は回数無制限で即行アクションを使用し、稲妻か風の力を使える。君は中距離に存在するクリーチャーに稲妻を落とすことができる。それは遠隔接触攻撃扱いで命中すれば2キャラクター・レベルあたり1d6の[電気]ダメージを与える。君が自然の化身の能力を持っているなら、君は任意の(風)副種別を持つエレメンタル(通常のサイズとHD制限のうちで)に化身できる。君が広い空の下にいるならこの恵みが起動しているあいだ君は遮蔽(20%の失敗確率)を得る。
水の恵み:君はこの恵みが起動されているあいだダメージ軽減3/魔法と火への抵抗10を得る。君が自然の化身の能力を持っているなら、君は任意の(水)副種別を持つエレメンタル(通常のサイズとHD制限のうちで)に化身できる。君が水界の環境にいるなら、君はフリーダム・オヴ・ムーヴメントとウォーター・ブリージングの利益を得る。
自然の恵み強化(超常):24レベルで、君は追加でひとつ自然の恵みを身につける。
みなぎる嵐(超常):27レベルで、君は瀕死状態のあいだ巨大な嵐の姿になる。君のヒット・ポイントが0かそれ以下になったとき、君は嵐となることができる。これはストーム・オブ・ヴェンジャンスの効果に相当し、効果半径は君がいたマスを中心とする。君のキャラクター・レベルを術者レベルとして君の【判断力】修正値を能力値ボーナスとする。この効果は5ラウンド(こうして使われるとき、それは終了しない)持続し、その後で君は通常の形態に戻り0ヒット・ポイントで容態安定状態となる。君は1日1回この能力を使用できる。
環境への変身(超常):30レベルで、君は自然の化身を使用するとき君の周囲にある地形へ化身することができる。君がそうするなら、下にある形態のリストから君が現在の環境で適用できるものをひとつ選ぶこと。君は地形と融合し、一辺15フィートの立方体が君の選んだ地形となる(君が化身するときこの立方体に接していなければならない)。これにより君は超大型サイズのクリーチャーと同じ量を占有し、君への攻撃はその空間にあるどのマスに対しても目標にできる(君は超大型サイズであることによる修正を一切受けない)。
君は“移動”を通常の速度で行なうことができるが、実のところ君は本質を環境の一部から別の場所へと移しているだけである。よって、この移動は機会攻撃を誘発しない。
他の自然の化身とは違い、君の肉体系能力値は変化せず着用しているものも機能する。君゛地形に影響を及ぼす呪文(たとえばトランスミュート・ロック・トゥ・マッドやワールウィンド)の対象となったなら、君は頑健セーヴィング・スローを行なう。君が失敗したなら、君は占有していた場所に隣接するマスで通常の形態に戻る。
生の形態:君は植物の生い茂る地域にいなければならない。君は生の恵みの利益(上記参照)を得る。君は即行アクションで組みつき判定を機会攻撃の誘発なしで行なえる。君は即行アクションか標準アクションとして叩きつけ攻撃を行なえる。君はコントロール・プランツとエンタングルを回数無制限に、超常能力のように使用できる。
巌の形態:君は岩石が一般的な地域にいなければならない。君は巌の恵みの利益(上記参照)を得る。君は対象を伏せ状態にする近接接触攻撃を得る。君は即行アクションか標準アクションとしてこの攻撃を行なえる。君は超常能力としてアースクウェイクを使用でき、術者レベルとして君のキャラクター・レベルを使用する。君はこの形態のあいだに1回この能力を使用できる(通常の形態に戻り、ふたたび自然の化身で巌の形態に戻れば君は再度アースクウェイクを使用できる)。この形態のあいだ君は[地]副種別の呪文を通常通り使用でき(《化身時発動》特技のように)、さらに君の術者レベルが3高いかのようにそれらを使用できる。
嵐の形態:広い空の下にいるときのみ、君は嵐の恵みの利益(上記参照)を得て、さらに追加の特徴を得る。君は2d8(+君の【筋力】修正値)のダメージを与えて対象を20フィート後退させる叩きつけ攻撃を得る。君は即行アクションか標準アクションとしてこの叩きつけ攻撃を行なえる。君はこの形態のあいだ超常能力としてコール・ライトニング・ストームを使用できる。これは回数無制限の能力だが、君はいちどにひとつの効果しか維持できない。君はこの形態のあいだ[風]と[電気]の副種別がついた呪文を通常通り使用でき(《化身時発動》特技のように)、さらに君の術者レベルが3高いかのようにそれらを使用できる。
水の形態:君が水界の環境にいなければならない。君は水の恵みの利益(上記参照)を得る。君は2d10(+君の【筋力】修正値)のダメージを与えて対象を10フィート後退させる叩きつけ攻撃を得る。君は即行アクションか標準アクションとしてこの叩きつけ攻撃を行なえる。君は超常能力としてウォータースパウト(『呪文大辞典』236ページ)を使用でき、術者レベルとして君のキャラクター・レベルを使用する。これは回数無制限の能力だが、君はいちどにひとつのウォータースパウトしか起動できない。通常の呪文と違い、このウォータースパウトは10フィートの半径があり大型と超大型のクリーチャーを吸い込むことができる。君はこの形態のあいだ[水]の副種別がついた呪文を通常通り使用でき(《化身時発動》特技のように)、さらに君の術者レベルが3高いかのようにそれらを使用できる。
大地と次元による不死:君が持つ生の躍動は自然界の律動で動き、それはやがてどちらがどちらであるかの区別を失う。君の本質は世界、そしてあまたの次元界へと流出する。君は沢山のものを見て、次元界の植物や動物が苦しまないようちょっとした世話を行なう。永劫の後、君の名前は忘れられ――ただ葉のざわめき、雷鳴、そして小川のせせらぎだけがそれを伝えるだろう。
君の業績を伝える伝説は世界を駆けるが、そのほとんどは君を存在を噂にすぎないと考えるように非現実的なものだ。敵は、もし彼が幸運なら、君の姿を彼の背中が君の刃を感じる前に君をひとめ影の中に見るだろう。
前提条件:21レベル。
ミスティック・シャドウ | |
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レベル | 利益 |
21 | 精密ダメージ強化、幽鬼の貌 |
24 | 影馳せ |
27 | 死の拒絶 |
30 | 影の打撃 |
精密ダメージ強化(変則):21レベルで、君が行なう攻撃により発生する精密ダメージ(君がより正確にローグの急所攻撃、ニンジャの急襲攻撃、そしてスカウトの機動戦闘で急所を衝けるようになったため)は強化されてより威力を増す。精密ダメージに使うダイスのサイズを1段階上げる。
幽鬼の貌(超常):21レベルで、君は常にグレーター・インヴィジビリティの効果を得る。君は即行アクションでこの効果の抑止と再開を行なえる。
影馳せ(超常):24レベルで、君は固形の物体中を移動する能力を得る。これは君に10フィートの助走を要求する。これで、君はその物体を移動困難な地形(それぞれのマスを移動するとき2マスと数え、斜め移動するとき3マスと数える)とみなせるが、君は移動を固形の物体中で移動を終了させることはではない。この移動は通常通り機会攻撃を誘発するが、君は攻撃に対する遮蔽(20%の失敗確率)を得る。
死の拒絶(超常):27レベルで、君は死亡状態や満身創痍状態になることを避けることができるようになる。君が攻撃で0ヒット・ポイントかそれ以下になったり攻撃による大規模ダメージで死にそうな場合、君は死の拒絶を使用するために割り込みアクションを行なえる。君は攻撃によるダメージすべてを50%の確率で無効にできる。
影の打撃:30レベルで、君の武器、肉体武器、そして素手打撃による攻撃は接触攻撃となる。
影による不死:多くの叙事詩に残る宿命を果たしたキャラクターは世界を離れるが、君はそれを望まないかもしれない。不老で誰からも見られず、君は多くの想像もできなかったものを見知ることができる。まだこの世の中で君の退屈を紛らわせるだけの行ける場所や見るべきものがあるかもしれない。君は時おり、君とその偉業についての物語すら聞くかもしれない。おそらく君自身もいくつかの噂を広めるだろう。君の伝説的な偉業についての確かな話に尾ひれがついて誰もが知っている伝説になるのを観察し、それのあちこちに少々の誇張があるとしたところで、誰の心が傷つくだろう? 吟遊詩人が君が行った最初の冒険を物語るとき、君の背が彼らが言うよりも実は3フィート低かったり君が刃をひと振りするだけで800人のオークを殺さなかったとしても、それは懐かしい昔語りと感じられるだろう。やがて、君の物語は語り継がれ、君はもはや自分が現実の住人なのか、この旧い物語の住人なのかを覚えていることができなくなる。
君が自分のキャンペーンで叙事詩に残る宿命を使うと決めたならば、君はプレイヤーのために献身的に作業をし、おそらくはDMの制御するべき部分のいくつかを放棄する必要がある(しかし君がエピック・レベルをプレイしているなら、おそらくそれを心得ている)。プレイヤーが叙事詩に残る宿命を選ぶことで君は彼女をキャンペーンの最終幕に立たせるための良い考えを得る。
DMとしては、叙事詩に残る宿命は君のキャンペーンで最後の冒険を演出するのに役立つ道具となる。君が既に終わりを構想しているなら、宿命の偉業を物語へ組み込むことに挑戦するとよい。たとえば君がゲームで脅威として『Elder Evils』のAtropusを使っているとする(君がそれをエピック・レベル用に修正したのか君が“非エピックの叙事詩に残る宿命”の選択ルールに挑戦しているか)。この死せざる小惑星を止められなかった場合は世界のすべては抹消される。ブレード・オヴ・ラグナロクは世界の命運を賭けた戦の予感に興奮する。フォース・オヴ・ネイチャーは自然の営みが破壊されることを止めなければならない。デミゴッドは落ちてくる破壊を止めない神々の怠慢を見て、このような最大級の危難に対峙する覚悟を持った神格になると誓う。エターナル・ヒーローは過去生で不注意からAtropusを自らの世界に呼び出した過ちのつぐないをするため、絶対にこのクリーチャーを止めねばならない。
叙事詩に残る宿命の不死についての項目も君のキャンペーンに連続性を作ることができる。以前のキャンペーンと次のキャンペーンをエピック・キャラクターで繋ぐことで、君はプレイヤーにより世界の広さを感じさせることができる上にその中で彼らのキャラクターにより重要な役割を担わせることができる。君が同じ世界で複数のキャンペーンをするならこのやり方はことのほかよく機能する。
キャンペーンの魅力的なキャラクターへ叙事詩に残る運命を与えることを提案する理由はここにある。
アイテムに関係する導入でアーティファクト・ロードのプレイヤーを引き込むことができる。君はゲームにアーティファクトを導入するためにアーティファクト・ロードを使うことができる。
戦闘と世界を破滅させる脅威はブレード・オヴ・ラグナロクにとって魅力的なものである。最も強大な脅威のみがそのように強力な戦士の琴線に触れる。
デミゴッドを冒険に導入するには、既存の神々や善の神々が治める封土の危機が一般的である。
エターナル・ヒーローのすべてには深い歴史があるため、彼らを君のキャンペーンに取り込むのは簡単である。ここではエターナル・ヒーローに関係するいくつかの導入を挙げる。
フォース・オヴ・ネイチャーは自然界の秘密を知っており、それらは冒険の題材として使うことができる。
ミスティック・シャドウが潜入不能の要塞や固く守られた秘密について聞くと、彼女はそれを挑戦と考える。しばしば、できそうにもないくわだてに対する報酬は君がやり遂げたという結果そのものとなる。
名前とはうらはらに、叙事詩に残る宿命を非エピック・レベルで使用することもできる。君がエピック・キャンペーンをやる気がないなら、君は《叙事詩に残る宿命》特技の前提条件と叙事詩に残る宿命の特徴を得るレベルを変更することができる。
エピック・レベル | 非エピック・レベル |
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21 | 12 |
24 | 15 |
27 | 18 |
30 | 20 |
叙事詩に残る宿命の特徴はエピック・レベル以下では非常に強力だということを忘れないように! 君のゲームは自動的に通常より強力なものとなり、キャラクター全員が叙事詩に残る宿命を持たない限りキャラクター間の力は均衡を失ってしまう。君は埋め合わせとしてより強力なモンスターを使えるが、強さと経験点がつりあわないと感じたら君は強大化する前の低い脅威度で計算してもよい。
ローガン・ボナーは2006年にダンジョンズ&ドラゴンズ担当の編集者としてウィザーズ・オヴ・ザ・コーストに入社した。彼はウィザーズ以前の就労経験がなく、よくここまでやる気が長続きしたと驚いている。4版のクラスについてデザインした後、彼はメカニカル・デザイン・チームに加わった。彼が以前に編集した商品は『Magic Item Compendium』と『Monster Manual V』、そして彼が半分ほど執筆を担当した『Eberron Survival Guide』である。