Gがいつものように窓際でボンヤリしているとリンクスに着信。発信者はウィリアム・多聞。公益事業の一環として進めている博物館に展示するため購入したニブ・オブ・プロフェットなる古い羽ペンを持ったブローカーが失踪してしまった。やっかいな事件の可能性も考慮し、ナンバーズのGに仕事が廻ってきたらしい。
任務はブローカーのサム・富田と連絡をつけ、商品を受け渡してもらうこと。
簡単な仕事だ。
長屋で暇を持て余しているアヤメのもとに駆け寄る影一つ。それは近所のデッカー、佐藤。
またデカいヤマを見つけたと言う佐藤。ニブ・オブ・プロフェットなる魔法のペンを使えばあらゆる願いが叶うという。夢物語だと馬鹿にするが暇を持て余す身である。アヤメは街に出た。
馬鹿馬鹿しい与太話だ。
マークは篁会長の勅命を受けインペリアルホテル最上階において陳元義と会談中。
ニブ・オブ・プロフェット。
持つ者が書いた通りの内容を実現させ、持つ者を破滅させる禁断の魔筆、それがこの街に持ち込まれたという。
彼が与えられた任務は老道士の依頼を達成すること。達成の暁には傘下企業の社長という地位が約束されている。依頼は、魔筆の破壊。
その様子を機械人形ごしに視るG。
会長の思惑はどこにあるのかと考えつつ、マークはハイヤーに乗る。
どちらにしろ、この任務をこなせば支社長だ。
同刻、ホワイトエリア某所。
乗用車が対向車線のトレーラーに突撃、大破。乗員二人は即死。
両車の制御系、乗員の電脳、道路管制システム等全てにおいて異常無し。
異常無し。
事故現場近くで、ハイヤーのモニタに事故の一報が入る。そこに向かうマーク。事故現場ではローンスターの交通課が後処理をしている。
死んだのはサイバーウェア開発会社E&G社長、エミーリオ・エマーソン。車や本人達に全くもって異常は無く、テロや企業抗争では無いらしいという。
そう、何も異常は無い。
Gはマークに電話をかけ接触。思惑をぼかしながらニブ・オブ・プロフェットやサム・富田の調査を共同で行うことに。
サムは金に汚い男だが、最近豪遊していた様子あり。そして、彼がフェスラー家より請け負ったコレクションの一部処分という仕事。
マークはサムの店に向かったが、そこはがらんどう。
アヤメの電話が鳴る。声の主は佐藤。ローンスターの署長から仕事が入ったのでどうかという話。
前金もあるというので署に向かうと、署長室に通される。
E&G社長が死んだ事故、何もなさすぎると言い署長は彼に支払い保証済み信用素子を投げてよこす。
再び電話。次はマークという悪友。レッドに行きたい彼らから案内を頼まれる。彼らにもE&Gの調査を手伝わせることにし、ホワイトのカフェーに向かう。
サムはレッドの安ホテルに隠れているという。仕事柄土地勘のあるアヤメに案内を頼み、彼が来るまでの間くつろぐGとマーク。マークは本物のコーヒーしか口に合わないらしい。ドロイドのGは人前でものを食べないし、飲まない。
アヤメが来る。とりあえず事故現場へとハイヤーを向かわせ、警察の資料とつき合わせて検証しながらE&Gの情報を収集。
事故については怪しい場所はやはり全くもって無し。E&Gは共同創業者、ロッティオ・ギャラガーがエミーリオと揉めていたという。
検証が終われば後は車の中からでもできる。渋る運転手に心づけをはずみ、レッドへと向かう二人と一体。
電話。
署長からだ。
道路管制システムにバグがあり、それと車の制御系が干渉。今回の事故に至ったという事実がたった今判明したという。
この件についてアヤメの意見を聞く署長。言うまでも無かろう。
二人は鮫のように笑う。
そのホテルは薄汚れた雑居ビルにある。親爺に小銭を握らせ、ルームサービスと言いサムに扉を開けさせたところを捕縛。魔筆の情報を聞き出そうとする二人と一体。
流した相手より多く金を積めばいいらしいと理解したマークは専用回線でいずこかへ連絡。暗転するレッドエリア、空中要塞から地響きを立てて降り立つは岩崎御庭番衆のウォーカーと、ウォーカー用アタッシェケース。
ケースの中にある金塊全てが情報料だと言い放つと、サムはロッティオ・ギャラガーに商品を横流ししていたと白状。
それを聞けば用済み。縛り上げたままその場から離れようとしたその時、侵入者。チンピラ数名を引き連れた剣客。
慌ててドロイドを放り出すG。
剣客はアヤメに向かうが軽くいなされ、マークから追い詰められ退却。
チンピラが捨て身でアヤメに突進するが斬りかかったアヤメは虚像。手持ち無沙汰のアヤメと岩崎御庭番衆がチンピラを斬り飛ばし、侵入者はいなくなる。
襲撃をかわした後三人はそれぞれの思惑を隠して情報交換の続き。E&G社長に就任したロッティオからニブ・オブ・プロフェットを手に入れねばならないので、いざというときローンスターを動かせるようGが警察のギガトロンを洗いロッティオが事故の証拠を捏造したことを暴く。
アヤメが署長に電話しデータがやはり捏造であったことを告げ、E&Gへ。
E&Gはイエローのビル一棟を占有している。アポイントメントが無い者の進入に戸惑う受け付けをマークが丸め込み、屋上ヘリポートから取引先との会議に向かおうとしているロッティオの元へ。
己を断罪するアヤメに対し事実無根の事を言うなら法廷沙汰も辞さないと突っぱねるロッティオだが、マークはそれならば証拠を作るだけだと笑う。ロッティオのボディガードだった襲撃者とガードマンが二人に対し銃口と刃を向けた時、隣接するビルの壁面に現れる影。
それは、熱光学迷彩を解除したGのダンデライオン。
登攀ワイヤを切り離し、E&Gの屋上に飛び移る。
ボディガードがコンクリートを蹴り、アヤメの背後から彼を袈裟懸けに切り裂こうとするが、それを察知したアヤメは腕に仕込んだスラッシャーを抜き放ち、返り討ちに。しかしクロームの弾丸と化した彼の勢いは止まらず、最期の力でアヤメの体にレーザーの刃を打ち込もうとするボディガード。
そこでGが電脳をクラック。IANUSに過負荷をかけて脳を焼き切るが、ロッティオが用意していたダミーゴーストが起動しようとする。だが、ダミーゴーストは不良品でボディガードはレーザーブレードごと機能を停止。乗り手の無くなった全身義体が屋上に転がる。
ガードマンの弾丸を避けつつアヤメはロッティオとの距離を詰め、マークは空中要塞に攻撃指示を出す。降ってきたのは植木鉢。屋上に小さなクレーターを穿ってバウンドしたそれはロッティオの腹に命中。ダンデライオンからは大量のミサイルが発射されガードマンを薙ぎ倒すが、予想より威力が小さかったらしく舌打ちをするG。
飛び込んできたガードマン達を返り討ちにしてロッティオを睨むアヤメだが、ロッティオは不敵に笑い手元のトロンを操作。過負荷がかかり爆発するマークの人工筋肉。
サイバーウェアによって研ぎ澄まされた反射神経でロッティオの周囲にいるガードマンを一蹴し、チェック。たじろぐロッティオの頭に植木鉢から分離していたアロエがぶつかり、チェックメイト。
空中要塞に収容されて治療中のマークは腹いせにロッティオの罪を大量にでっち上げ、N◎VA軍に告発。
アヤメは署長を呼び、ロッティオを揺り起こしてニブ・オブ・プロフェットを出させた後逃げるようにE&Gを後にし、合流ポイントへ。まだインクに残りがあったのでフィリピンのリゾートアイランドが丸ごと自分の物だったという内容を記述し、そのままN◎VAを後にする。
マークとGは魔筆のレプリカを魔筆の力をもって作り出し、マークは陳の眼前でインクの無くなったオリジナルを破壊。オービタルイワサキへと帰還。
久しぶりに軌道の快適な環境でくつろぎ、篁会長と関口局長から労われるマーク。ニブ・オブ・プロフェットを危険視していた天津一族との取引も終了したと会長に告げられ、潔白な身になった彼に辞令が下される。
Gはレプリカをウィリアム・多聞に提出。教育に役立つミュージアムを作ると理想に燃えるウィリアムから、オープニングセレモニーの警備も頼まれる。
ローンスターの拘置所でしょげるロッティオの許には黒服が二人登場。両脇を抱えられ、彼は税関ビルの闇へと消えた。
アヤメの導入を失敗してしまって、急遽警察向け導入をつぎあてたりして随分段取りが悪かったことに反省しきりですぅが、クライマックスからエンディングにかけてニブ・オブ・プロフェットに残っていた二回分の神業をどう使うかが面白くできたのでよかったですぅ。
今回使ったもろもろのデータは後述の通りですぅ。