この「アラート!」はシナリオに存在するNPCが周囲をどれだけ警戒しているか判定するために使用するモジュールである。
ここで紹介するのは、シナリオに出てくるNPCが身に迫ろうとしている危機をどの程度把握しているか判定するガイドラインである。 いくつかの部屋に分かれたダンジョンや砦で戦闘が起こった時、そこの住人はどう反応するか決定したい時などに使用できる。
まず、そのキャラクターがどのような状態にあるかで[危険感知]の[難易度]を決定する。
難易度 | 説明 |
---|---|
14 | トラブルを予期していない。街中、居住区など。通常、一般人もこのあたり。 |
10 | そこそこ警戒。宝物庫や王室の警備兵など。 |
6 | 厳戒態勢。最前線や見張りの兵士、など。 |
通常のダンジョンなら、入り口や要所の見張りが10、大部屋で待機している要員は14程度でよいと考えられる。
次に修正を適用する。主な修正は以下のような物が考えられる。数値は1シーンで重複する修正の適用は無いことを目安に設定されている(例:戦闘が数ラウンド続いても戦闘音による修正は1回だけ)。
また、敵の撤退(の虚報)などでマイナス修正を課してもよい。
修正 | 説明 |
---|---|
+9 | 警報、伝令 |
+6 | 戦闘音 |
+3 | 大声、不審人物との遭遇 |
また、[危険感知]の修正が変化することで、以下の表により周辺の反応を変化させるのも面白い。
修正 | 説明 |
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0〜3 | 通常と同じ |
4〜9 | 警戒を始める |
10〜12 | 戦闘にいつでも突入できる準備を始める |
13〜 | 手近な物を利用したバリゲードの設置、不意打ちの準備などを始める |
あらかじめシナリオに登場するNPCに[危険感知]が成功した場合の処理を用意(援軍に駆けつける、バリゲードを設置して迎え撃つ準備をする、など)し、シーン開始時や各ラウンドのセットアップフェイズに近辺の部屋や通路にいるNPCの[危険感知]判定を行い、成功すれば処理を実行する。などの方法でシナリオをより動的なものへと導くことができるであろう。判定を楽にしたい場合は隣接するエリアのみ判定する、エリアごとに一番[危険感知]が高い者の値だけを使い判定する。などの方策がある。
反応表を使うことによって敵の施設に潜入して脱出するようなシナリオで戦闘を避ける方向での解決法を摸索させることもできる。また、GMはこのような事情でPCが戦闘を回避したさいには、戦闘して敵を倒した場合なみの考慮をすべきである。
Mike Mealsによる、Polyhedron #154/Dungeon #95掲載、Improved Initiative:Alert Factorと、石川様による邦訳。そして、私と共にゲームをプレイしてくれた皆様。