遺跡の街ラインの郊外にある小さな村、ウドセッジの近くに古い修道院があり、ラインの修道騎士団が修行のためそこに入居することになった。
しかし、長年放置されていた修道院は妖魔達のねぐらになっており、神殿の神官スティーブは上への顔つくりのためなどから、修道騎士団が到着するより先になんとかしておきたいと考えている。
PC達は神殿の依頼により、修道院に向かい妖魔を退治することになります。妖魔を掃討し、修道院の安全を確保すればこのシナリオは終了となる。
クイックスタートでもコンストラクションでも構わない。戦闘がややきつめにデザインされているシナリオなので、アコライトが最低一名いるとよい。
ライン近郊の平凡な村、ウドセッジ。しかし、そこにラインの修道騎士団が訪れる時一部住民に戦慄が走る。
騎士団が入居するはずの修道院が妖魔のねぐらになっていたのだ。
妖魔をのさばらせておいては神殿関係者の名折れ、さあ働け!
ここはラインの街から数日のところにある村、ウドセッジ。君達はそこの神殿でやっかいになっていた。ある日の夕刻、普段はあまり外出などしない神官が戻ってくるなり、困った様子で君達のところに近づいて来る。
神殿の神官、スティーブから依頼を受けるシーン。スティーブは、数日後にラインの修道騎士団がこの村に来ること。彼らはこの村の近くにある修道院で修行生活を送るために向かっていること。しばらく見に行っていなかった修道院の様子を見に行ったら近くに妖魔らしき影を見たことをPCに伝え、修道院の調査を依頼する。
彼はPCに地図を渡し、成功報酬として全員に400G払うことと、修道院で見つけたものについても騎士団や教団にとって重要でないものについては持っていってよいし、もし重要な物件であってもそれなりの報酬を支払うと約束する。
彼の説明を終えたら結末に移ること。
修道院は村外れの森の丘にある。PCは特に障害も無く行くことができる。
修道院がある丘に着いたら、ミドルフェイズに以降する。プレイヤーにプレイヤー用地図を見せ、移動する場所を決めさせること。
1エリア1シーンとし、何も無ければ全員登場とすること。
森の中にある小高い丘に修道院は建っていた。西側に表口らしき観音開きの扉、南側に勝手口らしき粗末な扉が見える。
修道院が見えた時の描写。聞き耳をしてみたりすれば、勝手口の方から複数の生き物らしき物音が聞こえる。
西側の扉から入る場合、エリア2へ。
南側の扉から入る場合、エリア3へ。
この部屋はさほど荒れている様子もない。部屋の中央付近に大き目のデスクがあり、その近くには古びた甲冑が飾られている。
応接室だった部屋である。特に何もしない場合はそのまま通り過ぎることができる。
ただし、鍵がかかっている扉を開けようとする、部屋を家捜しするなど、積極的な探索をした場合、ブロンズゴーレムとの戦闘になる。PCは誰かが離れて行動していない場合以外は全員で1エンゲージとし、ブロンズゴーレムはPCから2メートル離れた場所にいる。
戦闘後は部屋を自由に探索できる。探索した場合、デスクの中から院長の日記が見つかる。確保してスティーブに届けた場合、50Gの報酬が得られる。日記を読む場合、目標値9の【知力】判定に成功すると、日記の要点を読み取り、地下に宝があるらしいことが分かる。
西側には外部への扉、東側にはエリア3への扉とエリア4への扉があるが、このうちエリア4への扉は鍵Aがかかっている。
種別 | レベル |
---|---|
道具 | - |
重量 | |
1 | |
鑑定値 | 価格 |
9 | - |
解説 | |
修道院の院長が書いていた日記。普通の店に持っていっても価値は無いと思われるだろう。 |
かつて修道士が生活を送っていた部屋であるが、今ここに住んでいるのは邪悪な妖魔達だ。思い思いに身構えながら君達に襲い掛かってきた。
フォモール2グループとバグベア1グループとの戦闘になる。
フォモールはPCから2メートルのところにバラバラのエンゲージで存在し、バグベアはPCから5メートルのところに存在する。
エネミーを倒した後、難易度12の【感知】判定を行うこと。成功した場合、鍵を手に入れる。これはエリア2にあるエリア4へ繋がる扉を開ける鍵である。
北側にはエリア5への階段、西側にはエリア2への扉、東側にはエリア6への扉、南側には外部への扉がある。
部屋に入った途端かび臭さが鼻をついた。どうやら随分と閉ざされたままの部屋であったようだ。修行者達が使っていた用具などが置かれている。
修道院時代の倉庫である。法衣や農作業用具などがしまわれている。この部屋を探索すると小さな宝石箱が見つかる。中にはトパーズリングが入っている。
部屋の西側にはエリア2へ続く扉がある。
大部屋にはベッドが並んでいる。住人が入れ替わった後も寝室として使われているらしく、君達の前に数体のモンスターが飛び出してきた。
トロウル、ギルマンアーチャー、インプとの戦闘となる。PCは特に何も無い限り全員で1エンゲージとし、敵はPCから1メートルにトロウルが存在し、3メートルにインプとギルマンアーチャーがそれぞれ別のエンゲージに存在する。
初期配置でトロウルが存在するエンゲージは[封鎖]状態にあるとみなすこと。入り口に立ちふさがっているのだ。
エネミーを倒した後探索するとHPポーションが1つ見つかる。
かまどや長い机が見える部屋だ。傷んだ食料が散乱してなんともいえない臭気を放っている。調理場だったようだが、今の住人は料理が下手なようだ。
厨房である。この部屋を探索すると、なんとか食用に堪えそうなにくが3個見つかる。また、床を探索した場合、難易度9の【感知】判定に成功した場合、エリア7に続く複数の足跡を見つけることができる。
西側にはエリア4への扉、東側にはエリア7への扉がある。PCがエリア7へ進んだ場合、クライマックスフェイズに移ること。
エリア7へ進んだらクライマックスフェイズに移る。
倉庫だったらしい部屋だが今はがらんとしている。これといって特徴の無い部屋だ。
そう。その隅に開いている穴と、その前に佇むゆるく反った剣を持ち、漆黒のメダルを身につけたバグベア達を除いては。
修道院の宝を手にしようとしているバグベアサムライ、スラッシュとオーガバード、ハック達との戦闘となる。PCは全員で1エンゲージとし、敵はPCから3メートルにスラッシュ、5メートルに[飛行状態]のハックと落とし穴が存在する。
落とし穴に落ちた場合、[メインプロセス]で[マイナーアクション]、[メジャーアクション]の両方を消費すれば這い上がることができる。
PCのレベルが高いときはスラッシュ、ハックのフェイトを使用してもよい。なお、フェイトを使用した場合、使ったフェイト1点につきミッション成長点を1点増やすこと。
また、スラッシュとハックはギルドスキルとして《加護》か《限界突破》を持っていてもよい。これは、漆黒のメダルが放出する力である。
彼らは悪態をつきながら、PCに向かってくる。戦闘になる。勝利した場合、結末1へ。敗北した場合、結末2へ。
分類 | 属性 | レベル | 識別値 |
---|---|---|---|
妖魔 | - | 3 | 9 |
能力値 | 筋力 | 器用 | 敏捷 |
12/6 | 11/6 | 12/5 | |
知力 | 感知 | 精神 | 幸運 |
6/2 | 10/4 | 9/4 | 8/2 |
攻撃 | |||
虎徹/5(3D)/7(4D)/物理/至近 | |||
防御 | HP | MP | フェイト |
8/3 | 45 | 32 | 6 | 行動 | 移動 |
7 | 13 | ||
特殊能力 | |||
《ハイジャンプ》(P86),《ボルテクスアタック》(P88),《トルネードブラスト》(P104),《インヴィジブルアタック》(P88),《ブランディッシュ》(P91),《スピリット・オブ・サムライ》1(P105)(適用済み),《カタナマスタリー》1(P105)(適用済み),《トゥーハンドアタック》2(P106)(適用済み),《プレッシャー》(P107) | |||
解説 | |||
修道院にいた妖魔の頭目で、刀を使うバグベア。鶏冠に派手な飾りをつけている。宝物庫らしきものを見つけ、我が物にしようとしていた。ちなみにライフパスは英雄/師匠/支配である。 戦闘に入るとまずは一番人数の多いエンゲージに移動して《ブランディッシュ》を試みる。最初の《ブランディッシュ》と同時に《ボルテクスアタック》を発動させる。その他は主に、現在自分にエンゲージしているPCを攻撃する。複数接触している場合《ブランディッシュ》で薙ぎ払いながら、適宜《インヴィジブルアタック》や《プレッシャー》を併用する。 |
|||
ドロップ品 | |||
2〜5 | 脇差(20G) | ||
6〜10 | 鶏冠飾り(100G) | ||
11〜 | 現金(2D6×50G) |
分類 | 属性 | レベル | 識別値 |
---|---|---|---|
妖魔 | - | 2 | 8 |
能力値 | 筋力 | 器用 | 敏捷 |
12/4 | 9/4 | 3/3 | |
知力 | 感知 | 精神 | 幸運 |
9/4 | 9/4 | 12/4 | 10/4 |
攻撃 | |||
バゼラード/2(3D)/6(3D)/物理/至近 | |||
防御 | HP | MP | フェイト |
6/4 | 33 | 39 | 5 | 行動 | 移動 |
7 | 13 | ||
特殊能力 | |||
《ウイング》(P87),《ファインドトラップ》(P100),《ディスコード》3(P103),《アンビデクスタリティ》(P100)(適用済み),《ダガーマスタリー》(P102)(適用済み),《バタフライダンス》(P103),《カノン》(P120),《バラード》(P122) | |||
解説 | |||
スラッシュの兄弟分。戦場を眩惑させる楽器を使って補佐役をしているが、手にした双剣の腕もそこそこ。ちなみにライフパスは幸運の星/愛/嘘である。 戦闘では落とし穴とエンゲージしたまま後方支援に徹する。スラッシュを先に行動させ、状況に応じて《カノン》を使う。スラッシュの出目が悪すぎる(3以下ばかりなど)時はスラッシュだが、そうでない時はPCを対象にする。この時行動しなかったら、自分より行動値の低いPCがいる場合《バラード》を使う。エンゲージしているPCがいる場合、そのPCを攻撃する。 |
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ドロップ品 | |||
2〜6 | HPポーション(P138) | ||
7〜10 | オウガドラム(50G) | ||
11〜 | 軍師の扇子(100G) |
残っていた妖魔達も頭目がやられるのを見てちりぢりに脱出する。
どうやら妖魔を掃討するという目的は達せたようだ。
PCが穴を覗き込むなどした場合、中になにかあることが分かる。中に入るのならシーン2へ。ロープがたらされているので判定などは特に必要としない。
力尽きた君達に向かって甲高い叫び声が近づいてくる。まるで、死神の笑い声のように。全員止めを刺されて死亡する。
先ほどまでの激闘と打って変わって静かなそこは、何かぬるぬるしたものでまみれている。
血だ。おびただしい量の血と、戦闘により壊れた樽から流れ出した酢になった酒。そして、倒れ伏した妖魔達。
奥には宝箱があり、その前には鈍く光る鎧が崩れ落ちている。
地下の酒倉でライズの聖印を守護していたスティールゴーレムの残骸と対面するシーン。スティールゴーレムはPCに妖魔がどうなったか聞きくとしばらくして機能を停止し、錆びた甲冑の残骸になる。
ゴーレムの守っていた宝箱にはライズの聖印が入っている。確保してスティーブに届けた場合、100Gの報酬が得られる。また、甲冑の残骸を確保してスティーブに届けた場合、200Gの報酬が得られる。
PC達がライズの聖印や甲冑の残骸をどうするか決めた後、エンディングフェイズに移ること。
種別 | レベル |
---|---|
道具 | - |
重量 | |
1 | |
鑑定値 | 価格 |
9 | 30 |
解説 | |
院長の日記に書かれていた求道者、ライズの遺した聖印。データとしては聖印(P139)と同じに扱う。少し装飾が特殊なだけで、神殿関係者くらいしかその貴重さに気づく者はいないだろう。 |
種別 | レベル |
---|---|
道具 | - |
重量 | |
10 | |
鑑定値 | 価格 |
8 | - |
解説 | |
修道院が無人となってからもライズの聖印を守り続けていたスティールゴーレムの残骸。神殿関係者に渡せば感謝されることだろう。持ち歩く場合、キャラクターで分担してもかまわない。 |
帰ろうとしていた君達の前にスティーブが現れる。どうやら心配で森の影から見ていたようだ。さあ、村に帰ろう。
スティーブと一緒に村に帰り、報酬をもらうシーン。
スラッシュ、ハックを倒して妖魔を掃討していれば村に帰ってからスティーブが400Gの報酬を支払ってくれる。また、修道院の日記を見つけ、持って帰った場合50G、ライズの聖印、甲冑の残骸を見つけ、持って帰った場合それぞれにつき100Gが報酬に上乗せされる。
小さな冒険は終わった。
数日後、ラインの修道騎士団が到着し、スティーブは忙しそうに接待をしていた。
騎士団も修道院に満足しているように見える。
次の冒険まで、しばしの休息を。
ルールブックに従い、アフタープレイを行うこと。冒険に成功したとマスターが判断した場合、成長点を3点渡すこと。
「妖魔の修道院」の続編をプレイする時に使えそうなシナリオフックを挙げておく。
諸国遍歴の求道者ライズ。妖魔が修道院をねぐらにしていたのは偶然ではなく、彼の遺した物品を探していたからだった。ある日、PCの許へラインの街から早馬が駆けつける。ある神殿に祭られていたライズの遺産が強奪されたというのだ。ラインの神殿はライズの遺産に関わったPCを探索隊として決定した。果たして、ライズの遺産に隠された謎とは。
スラッシュとハックが持っていた漆黒のメダル。それはある妖魔のマッド・アルケミストが研究している人間のギルドに近い力を得るためのアイテムの試作品だった。マッド・アルケミストは復讐と実験のため、PCに刺客を放つ。
プレイヤー用修道院間取り図。プレイヤーに見せること。
マスター用間取り図。丸で囲まれた文字が各エリアに対応する。