ウドセッジはパリス同盟の遺跡の街ラインから徒歩で二日程度の場所にある農村である。都市の比較的近くにある農村を舞台にした冒険の舞台として、適当なものを作りたい時に流用してもらっても構わない。
ラインから徒歩で二日程度の都市圏に存在するウドセッジは、名目的にはラインに所属しているものの、収穫期に徴税吏が来ることと、ごくまれにラインの軍隊に人手の供出を求められる以外はほとんど都市との交流が無く、揉め事が起きた場合も寄り合いにより話し合われたり、神殿にいる神官がとりなしに入ることが多い。
獣や妖魔から身を守るための木柵で囲まれた中には、マルファス川の支流を水源にして農業、畜産、狩猟を生業とする百人足らずの村人が住んでいる。
特記するような歴史はない。唯一の文献資料は神殿の日記程度であるが、それにしたところで「ブラウンさん達が熊を仕留めてきた」などが記される程度に何も無い村である。そのために若者は退屈しており冒険者に憬れる者も多いが、多くの若者は畑を耕したり家畜の世話をしたり、狩りをしたりで一生を終わる。
マルファス川の支流が南北に走っている周辺を木柵で囲い、その中にぽつぽつと草葺き屋根で半木造建築の古びた農家と、それより少しましな程度のパブ、商店、神殿が立ち並んでいる。村の中心には川の水を引き込んだ池があり、近くには粉挽きのために使う水車小屋がある。
また、村の近くにある丘には古びた修道院がある。
以下がウドセッジの地図である。丸で囲まれた数字が各エリアに対応する。
村に出入りする道が通っている場所である。申し訳程度の見張り小屋があり、村人が持ち回りで見張りをしている。中には危険を告げる鐘が置かれている。
道は割となだらかで、半日も歩けば本街道に合流する。
周囲の農家よりは少し立派な程度の神殿。アエマを祭っている。神官スティーブと下働きの老婆が住み込んでおり、村人の相談に乗ったりもしている。
また、神殿や周囲の広場は村の寄り合いや祭りなどにもよく使われる。
村唯一のパブである。農家を改装した建物で、食堂と旅人が数人泊まれるような部屋が用意されている。
ふるまわれる料理は雑穀のパンや自家製のカードといった家庭料理が多く、酒も自家製のエールである。
店主の夫妻が農作業の合間を縫って店番をしている。
村の雑貨屋。主に村でまかなえない生活雑貨を置いている。ナイフ、ダガー、ハンドアックス程度でよいなら武器もここで買えるだろう。店主のカドリスに頼んでラインから仕入れてもらうこともできるが、それなりに時間がかかる。
カドリスが猟に出ている間は妻のダリアが店番をしている。
粉挽きに使う水車小屋であり、近くには貯水池がある。偏屈な老人、アステリが小屋番をしており、村人が挽いた粉からいくらかを使用料として取り立てて生活している。
シナリオ内で使用できそうな住人を数人リストアップしてみた。これもウドセッジ同様、適当なシナリオに流用していただいて構わない。
種族 | 性別 | 年齢 |
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ヒューリン | 男 | 34 |
髪の色 | 瞳の色 | 肌の色 |
褐色 | 褐色 | 白 |
解説 | ||
ラインからウドセッジに派遣されてきた神官。日々の務めは果たしているが、それ以上でもそれ以下でもなく日がな眠そうにしており、暇のある時は部屋で眠そうに読書をしていることが多い。 小役人的な性格で自分に累が及ぶことを避けるが、恩のある相手には自分に累が及ばない程度の便宜を図る程度の仁義は持っている。 |
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PCとの関係 | ||
ウドセッジの近辺で起こる山賊や妖魔の出没など、些細な事件の依頼主として利用できる。また、PCの「師匠」にもしてよいだろう。 |
種族 | 性別 | 年齢 |
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ネヴァーフ | 女 | 不明 |
髪の色 | 瞳の色 | 肌の色 |
白 | 灰 | 褐色 |
解説 | ||
ウドセッジの神殿に住み込んで下働きをしているネヴァーフの老婆。村人達と仲も良く評判も良いが、村の老人たちも自分たちが幼い頃には既に老婆だったと証言するほど老齢である。 少しとぼけたところがあるが心身共にしっかりしており、冒険者が神殿に滞在している時は彼らの分の食事も作ってくれる。 |
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PCとの関係 | ||
村人の個人的な依頼をPCに伝えるメッセンジャーとして利用できる。 また、大変長く生きているらしい彼女は、「喪失」や「呪い」の謎を解くカギとなる情報を持っているかもしれない。 |
種族 | 性別 | 年齢 |
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ヒューリン | 男 | 41 |
髪の色 | 瞳の色 | 肌の色 |
金 | 金 | 褐色 |
解説 | ||
村に唯一ある雑貨屋の主。月に数回村の用事でラインまで出るついでに品物を買ってきて、それに少々の手数料をつけて村人に売っている。村の収穫品をラインで換金する役目も担っており、村人からの信頼は篤い。 妻のダリアと三人の子がおり、普段は猟師を営んでいる。 |
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PCとの関係 | ||
依頼主としてはラインまでの護衛や、病気で倒れているカドリスの代わりにラインで買い物をする、猟の途中で目撃した化け物退治などの依頼が考えられる。 また、ラインで仕入れた噂話として情報を与える役割にも使える。 |
種族 | 性別 | 年齢 |
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ヒューリン | 男 | 64 |
髪の色 | 瞳の色 | 肌の色 |
白 | 黒 | 黄 |
解説 | ||
水車小屋の小屋番をしている偏屈な老人。村人から水車の使用料として取り立てる粉で生活している。 元々はこの村の出身ではなく冒険者の錬金術師であったが、ある冒険で足をやられ、生活の糧を得るために壊れていた水車小屋を修理して村に住み着いたと言われている。噂の真偽は定かでないが、何かと器用なのは確かで農具の修理などを頼まれることもあり、愚痴りながらも仕事をしている。 また、粉の取り立てや農具の修理などの収入以上に見える買い物を時々しているところから、冒険者だった頃に手に入れた宝をどこかに隠し持っているのではないかという噂もある。 |
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PCとの関係 | ||
過去の因縁にまつわる冒険の依頼主としてや、魔法が関係する物事についての情報を提供する役目として使える。 「魔術師」、「冒険者」などを境遇に持つPCの親や、PCの「師匠」、「秘密」を告げられるなど、ライフパスでも使用できるであろう。 |
種族 | 性別 | 年齢 |
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ヒューリン | 男 | 56 |
髪の色 | 瞳の色 | 肌の色 |
灰 | 黒 | 褐色 |
解説 | ||
ラインに住む下級貴族の隠居で、エレウォンドが蜂起した時にも彼の麾下で戦ったと言われている老戦士。クラスはウォーリア/アコライト。 現在はラインの修道騎士団団長として後進の育成に努めている。騎士団と言ってもラインの神殿にギルドの書類を出しているだけであるが、貴族や騎士の子弟十数騎が所属している。しかし、その殆どは冒険者として登録はしているものの全くの役立たずで、彼は心を痛めている。 誇りは高いが騎士団の戦力を過大評価せず、人の話をきちんと聞く人物である。 |
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PCとの関係 | ||
騎士団の訓練中に発見した怪しげな遺跡や建物の情報をPCに話し、探索を頼む役割として利用できる。 また、「騎士」の出自を持つPCの親や、PCの「師匠」、騎士団をPCの所属する「組織」としてもよい。「勝利」の目標や「忠誠」の対象としてもよいだろう。 |