正門 > 戯の間 > D&D > 『フォーゴトン・レルム探訪』買い物ガイド ]

『フォーゴトン・レルム探訪』買い物ガイド

ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)をフィーチャーした『フォーゴトン・レルム探訪』で初めて、あるいは久しぶりにマジック:ザ・ギャザリング(マジック)を買ってみようと思う人もいるだろう。この記事では、そういう方々に向け、購入の指針になりそうな情報をまとめた。

カードの色々な種類

ご存じの方がほとんどだと思うが、マジックのカードには希少度が設定されている。コモン、アンコモン、レア、神話レアの順番で希少度は高くなり、封入率が低くなる。つまり、手に入りづらくなる。

そして、ここからがややこしいのだがレアリティとは別に、さまざまなイラスト違いのカード、そして箔押しのプレミアム・カード(フォイル、キラカードなどとも呼ばれる)が存在する。

D&Dファンが『フォーゴトン・レルム探訪』で気になるイラスト違いは、レトロなモノクロ調で描かれたルールブック版と、昔のモジュール風のアートワークになった土地、モジュール版だろう。これらはショーケースと呼ばれる。他にも、イラストの枠が少し大きくなった拡張アート、カードの外枠までイラストがはみ出したボーダーレスがある。

さらに、これらイラスト違いのカードにもフォイルは存在するため、全部イラスト違いのフォイルにしたい! などと考え始めると大変なことになる。次に紹介する製品ごとの封入率などを読み、冷静になってほしい。

ブースターという製品

マジックのカードは、ほとんどが中が見えないパッケージに何枚かのカードが入ったブースターというパックで売られている。

しかし、最近はブースターにさまざまな種類が登場し、どれを買えばいいかわからなくなる人も多い。

そこで、ここではそれらについて『フォーゴトン・レルム探訪』でリリースされ、日本で売られる製品を解説しよう。

ドラフト・ブースター

昔から売られている製品フォーマットのもっとも基本的なブースター。ドラフトとはブースター・ドラフトという遊び方を指したもので、このパックを開け、引いたカードを使ってその場でゲームをプレイするのを主な目的としている。

封入されているカードは16枚で、内訳は以下の通り。

  • レア、あるいは神話レア1枚
  • アンコモン3枚
  • コモン10枚
  • 基本土地1枚
  • トークン、あるいは宣伝カード1枚

ドラフト・ブースターの場合、神話レア、そしてイラスト違いやフォイルが入っている保証はない。カード1枚あたりの単価は安いので、とにかく揃えばいいとか、ゲームをして買った分は遊ぶんじゃいと息巻く人向けの製品である。

セット・ブースター

マジックのパックを開ける時の楽しみは、あの独特な香りを嗅ぐことであると言った人もいるが、パックを開ける楽しみにこだわったパック。ようは光るカードが出たとエキサイトしたい人向けのパックだ。

このパックにはゲームには使えないアート・カードというイラストを印刷したカードが入っている。『フォーゴトン・レルム探訪』の場合、その裏にD&Dのモンスター用データが印刷されている。これが欲しい人も多いのではないだろうか。

封入されているカードは14枚で、内訳は以下の通り。

  • レア、あるいは神話レア1~4枚(最低1枚)
  • アンコモン1~9枚(最低1枚)
  • コモン1~8枚(最低1枚)
  • 基本土地1枚
  • アート・カード1枚
  • トークンか宣伝かザ・リストのカード1枚

セット・ブースターは一定枚数ごとに封入率が決まっており、それがランダムに並んでいるのでこのような表記になる。公式によるとアンコモン7枚が最頻らしい。

『フォーゴトン・レルム探訪』のセット・ブースターの場合、コモンかアンコモンのショーケースかボーダーレスが1枚、すべてのレアリティからフォイルが1枚、確定で収録されている。それらを狙う人にはいいだろう。

ザ・リストというのはこれまでのセットから再録されるカードが入った特別なリストのこと。

コレクター・ブースター

読んで字のごとくコレクター向けのブースター。全カードがフォイルになっている。価格もドラフト・ブースターやセット・ブースターの5倍ほどする。

封入されているカードは16枚で、内訳は以下の通り。

  • 拡張アートかショーケースかボーダーレスのレアか神話レア1枚
  • ショーケースかボーダーレスのコモンかアンコモン1枚
  • ショーケースかボーダーレスのレアか神話レア1枚
  • ショーケースかボーダーレスのコモンかアンコモン2枚
  • 拡張アートの統率者(レアか神話レア)1枚
  • 拡張アートのレアか神話レア1枚
  • レアか神話レア1枚
  • アンコモン2枚
  • コモン4枚
  • 基本土地1枚
  • 両面トークン1枚

どれくらい買えばいいのだろう

さて、それではどれだけのブースターを買えばセットの全カードを揃えられるのか。『フォーゴトン・レルム探訪』のカードは281種なので、ドラフト・ブースターかセット・ブースターなら2箱買えば7割揃い、3箱買えば運が良ければ全部、だいたい9割は揃うと考えられる。

しかし、ルールブック版やモジュール版のカードじゃなきゃやだい、箔押しじゃないとやだいとこだわり始めると、満足は遙か彼方へ遠のくことになる。そのあたりはショップでカード単品(シングルという)を買うなどでうまくやっていきたい。

ただし、シングルを買う時にオンラインオークションなど個人取引はおすすめしない。送られてくるカードのクオリティが保証されないし、プロでも判別困難な偽造品も横行しているからだ。

その他の製品

マジックの製品はブースターが中心だが、他にもいくつか出るものがある。それらも軽くご紹介しよう。

プレリリース・パック

これから出るカードを使って早速遊んでみる趣旨のイベント、プレリリース・パーティー用のパック。

イベント会場やビデオ通話でドラフト・ブースターを開け、その中からデッキを構築して対戦するシールド戦用の製品がまとまっている。イベントを行なうショップで買えるので、近くに店舗がある人は問い合わせてみるのもいいだろう。

プレリリース・パックには以下の物が入っている。

  • ドラフト・ブースター6パック
  • 日付入りフォイルのレアか神話レア1枚
  • フォイルのダンジョン・カード3枚
  • 20面体ダイス1個
  • 仕切り板

統率者デッキ

マジックには統率者戦という遊び方があり、公式もこれを強く支援している。ルールなどの詳細は他に譲るが、このデッキは統率者戦をすぐにプレイできるように構築されたカードの束(デッキという)を売るものだ。

『フォーゴトン・レルム探訪』では4種類の統率者デッキが出て、カードの内容は種類ごとに固定されている。内容については、公式サイトなどで確認していただきたい。

  • 大判の統率者カード1枚)
  • カード100枚(うちフォイルの伝説のカード2枚)
  • ライフ・ホイール
  • デッキ入れ
  • 両面トークン10枚

バンドル(英語版)

ドラフト・ブースター10パックに色々なおまけがついたパック。封入されているカードはすべて英語版だが、それに抵抗がないならゲームをプレイする際に必須の基本土地を一度に揃えられるのが助かる。

発売後、バンドルのドラフト・ブースターにレアが封入されていないことがある不具合が確認された(アンコモン4枚になっている?)。交換対応などについて不透明なため、注意が必要。(2021年07月23日追記)

  • ドラフト・ブースター10パック
  • 大判ダンジョン・カード3枚
  • フォイルの基本土地各20枚
  • 基本土地各20枚
  • 《Treasure Chest》のイラスト違いカード
  • 大型20面体ダイス1個
  • ストレージ(カードを入れる箱)

ギフト・バンドル(英語版)

通常のバンドルとは違う外箱と色違いの20面体ダイスのバンドル。コレクター・ブースター1パックがおまけについているのが嬉しい。

出典

この文書は2021年07月23日発行予定の同人誌5e Zine vol.03に寄稿予定のものを加筆、修正したものである。

2021年07月23日更新。