『フォーゴトン・レルム探訪』カード解説
マジック:ザ・ギャザリング(マジック)のセット『フォーゴトン・レルム探訪』では、ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)やその背景世界フォーゴトン・レルムのさまざまなものごとがカードにされている。
この記事は、それらについて一言解説して紹介していくコーナーだ。
プレビューを見ながら〆切ギリギリまで書くつもりなので、抜けや言語違いがあってもそっとしておいていただけると幸いである。
白
《メイス+2》
D&Dで魔法の武器や鎧は+1、+2、+3と数値が上がるほど強くなる。+2もあれば立派な業物だ。ところで、D&Dの記法では英語名《+2 Mace》のように、修正値は最初に書く。
《アルボレーアのペガサス》
アルボレーアはD&Dだとアルボレア。感情を愛する善の次元界で、エルフや彼らが崇める神々も住む。このペガサスは、エルフの神格から遣わされたものだろう。
《ブリンク・ドッグ》
瞬間移動を繰り返してまたたくように移動するのでその名がついた秩序にして善の動物。後述する《ディスプレイサー・ビースト》とは強い敵対関係にある。
《高貴なる行いの書》
D&Dの宇宙にあるあまねく善と徳を書き記したとされる書物。悪と戦う者に力を与える。《不浄なる暗黒の書》と対になるアーティファクト。
《天界のユニコーン》
D&Dのユニコーンは神などの善なる存在から遣わされた存在で、存在する周囲を浄化する力を持っている。
英語名は《Celestial Unicorn》だが、この場合のCelestialは、D&Dの宇宙にある次元界の1つ、7つの階層なすセレスティア(Celestia)のこと。
《クレリック・クラス》
神に仕え、癒やしをはじめとした呪文を授かる僧侶。神の特性に合わせたさまざまな能力を持つ。基礎的な鎧と武器の訓練もしているため、前衛にも立つことができる。
《回廊のガーゴイル》
D&Dのガーゴイルは石像などに擬態するクリーチャーで、岩山と洞窟が続く地の次元界から召喚されるなどして、この世界に現われる。
《ダンシング・ソード》
D&Dでは使い手の手から離れ、自ら打ち掛かっていく魔法の武器。マジックでは、使い手が死んでも動き続ける装備品になった。
《黎明運びのクレリック》
クレリックは防御寄りの呪文使いだ。彼の持っている能力はいずれもD&Dの呪文名である。
《発掘者の松明》
ダンジョンは暗いので、明かりは必須。これを装備したクリーチャーは先行して探索をしているのだろう。
フレイバー・テキストからはエルフ、ドワーフといった暗視を持った種族に囲まれたヒューマンの悲哀を感じる。
《献身のパラディン》
D&Dは種族によるクラスの制限などは特にないので、オークのパラディンも成立しうる。むしろ割と人気がある組み合わせかもしれない。
《神聖なる一撃》
攻撃に祈りを込めて輝かせる増すパラディンの能力。数多くの悪がこの前に倒れてきた。
《ドラゴンの門弟》
有名映画とかけた洒落ではなく、実際にドラゴンを崇めるモンクの門派がある可能性が『ザナサーの百科全書』で示唆されているから困ったものである。
《ドワーフホールドの勇者》
ドワーフホールドはドワーフの砦程度の意味。フォーゴトン・レルムの山地にはドワーフの住む要塞が点在し、このような戦士たちが守っている。
《フランフ》
地下世界アンダーダークに生息し、住民の精神エネルギーを吸って生きている謎の生命体。
《グルーム・ストーカー》
『ザナサーの百科全書』に収録されているレンジャーの類型のうち、影に潜み、敵に忍び寄るのがグルーム・ストーカーである。
《花の大導師》
プレインズウォーカー・タイプが示す通り、彼は人の姿に化身したバハムートである。D&Dのバハムートは白金竜(プラティナム・ドラゴン)とも呼ばれる善なる竜の神で、彼の連れているカナリアはそれぞれがエインシャント・ゴールド・ドラゴンである。よく知られている彼の化身は老人の姿だが、今回は違うようだ。
英語名の《Grand Master of Flowers》は、かつての版で最高レベルのモンクに与えられていた称号。バハムート信仰のドラゴンは人間に化身し、師匠と弟子の2人旅で世の中を見聞する設定をモンクと絡めたのだろうか。
《ガーディアン・オヴ・フェイス》
敵を攻撃する霊体を召喚する呪文。敵にしばらくダメージを与えると消えていく。そこそこ大きいので、その裏に隠れて逃げるのをフェイズ・アウトとして表現しているのか。
《ハーフエルフのモンク》
モンクは素手や特殊な武器、そして気と呼ばれる精神力を使った戦闘に長けたトリッキーなクラスだ。このモンクは気の力で敵を翻弄するのに長けている。
《霜の暴君、アイシングデス》
ホワイト・ドラゴンは氷の力を持つ。その中でもアイシングデスは世界の背骨山脈のバーバリアンたちからその名をつけられ(竜語での本来の名は別にある)、恐れられていた。
カードでは《ドリッズト・ドゥアーデン》がこれを倒し、名剣アイシングデスを手に入れた物語が再現されている。
《巧妙な鍛冶》
腕のいい鍛冶屋に武器を鍛えてもらうのもRPGのイベントでは定番だ。そういえば、かつての版にはSages & Specialistsというサプリメント(拡張ルール)があり、そこでは鍛冶でアイテムを作ったり、地図を描くと経験点を得られ、職人としてのレベルが上がっていくルールがあった。
《鋭い耳の歩哨》
こういう歩哨はただの衛兵と思って侮ったら高い〈知覚〉技能を持ち、侵入者を報告してくれるのかもしれない。
《忠実な軍用犬》
小柄の種族のハーフリングにはホースではなく、マスティフに乗った騎兵がいる。
《幽閉》
D&Dにはインプリズンメントという呪文があり、目標を小さくして宝石の中に幽閉してしまうことができる。
《素拳のモンク》
Open HandはD&Dでは開手と訳されている。モンクは気の力を利用し、目にもとまらぬ連打をしたり、一瞬で間合いを縮めるのを得意としている。
《月恵みのクレリック》
カードの能力である神性介入は神にその力の行使を願うクレリックの必殺技だ。月の女神セルーネイは、その双子の姉妹であるシャーと並びフォーゴトン・レルムの中でも古い神の1柱である。
《無私のパラディン、ナダール》
パラディンはクラスの1つで、さまざまな誓いに身を捧げた戦士である。
ナダールは竜頭の種族、ドラゴンボーンの名前として例示されているものの1つだ。
彼はおそらく《君は~》シリーズのカードに描かれてているドラゴンボーン。
《オズワルド・フィドルベンダー》
彼はノームの発明家で、中でも最大のものは飛行船だ。
《パラディン・クラス》
自らの行動を律する誓いを立てた聖騎士。今のD&Dでは、属性が秩序にして善などに制限されず、何らかの大義に仕える者として表現される。
《パラディンの盾》
D&Dにそのままの名前で魔法のアイテムなどはないが、パラディンは重装備のできる前衛なので、より防御力を高くするために盾を持っていることはよくある。
《プレイナー・アライ》
プレイナー・アライは他の次元界から天使や悪魔などを召喚して協力してもらう呪文。このカードでは、天使を召喚して戦ってもらっている。
《板金鎧》
D&Dの用語ではプレート。全身の形に合わせて金属板を加工した鎧で、もっともアーマー・クラス(AC)が高い鎧たが、非常に高価。初期レベルのキャラクターでは買えない高級品だ。
《ポータブル・ホール》
見た目は布だが、広げると次元の穴が生まれる、“持ち運びできる穴”の魔法のアイテム。バッグ代わりにお宝を放り込む他、落とし穴にも使える。
《治癒のポーション》
D&Dではポーション・オヴ・ヒーリング。薬草などから作られた水薬で、使うとヒット・ポイントが回復するRPGの定番アイテム。
《古代の伝承の僧侶》
クレリックは信仰する神格や神の側面により、さまざまな力を授かっている。知識を尊ぶ者はまるで学者のように古い伝承などに通じている。
《結集の策略》
より攻撃に尖らせた者と防御に寄らせた者なら、お互いの強さを補い合ったコンビになることもあるし、そこから物語を導けるのがRPGだ。
《レンジャーの鷹》
レンジャーは成長の方針にもよるが相棒の動物に斥候をさせたり、戦闘に参加してもらうことができる。
《不動のパラディン》
フレイバー・テキストのモラディンとはドワーフの主神。彼は鉱物を炉で鍛えてドワーフを創造したと伝えられる。
《テレポーテーション・サークル》
かつての版では場所を把握していれば飛べることも多かったテレポート系の呪文。だが、旅をしたりダンジョンを踏破するより、目的地の情報を調べ上げることのほうが合理的なことも多く、ゲームの語りたい風景と齟齬があったせいか、今のD&Dではこのカードのように、移動用に準備されたサークルへのテレポートが主なものになった。
《古参の迷路探索者》
フレイバー・テキストを見るに、その階層は既に先輩が探索していたというようなことだろうか。彼女がいるのはウォーターディープの有名な酒場、大口亭だ。
《ホワイト・ドラゴン》
D&Dのホワイト・ドラゴンは雪山や氷河に住み、冷気のブレスを吐く。獰猛で野獣のような性格だ。
《君は見張り中に物音を聞いた》
敵にしても自分だけで戦える相手か、それとも休息している仲間を起こすか。という場面だ。TRPGはこのようなやりとりの応酬でゲームを進めていく。
《君は道で待ち伏せに遭遇した》
時には逃げてしまうのも手のうちだ。
青
《精神異常のソーサラー》
英語版では《Aberrant Mind Sorcerer》。サプリメント『Tasha's Cauldron of Everything』(未訳)に。Aberrant Mindというソーサラーの血脈がある。彼らは宇宙の外や夢、あるいは《フランフ》や《マインド・フレイヤー》などの異質な精神を持つ異形(Aberration)の力を持つ、サイオニック使いだ。
《大気教団の精霊》
フレイバー・テキストの「邪悪な精霊」、英語では「Elemental Evil」は、元素邪霊という固有名詞である。これらは火、風、水、土の元素に存在する邪悪な存在で、それを崇める教団を持つ。このカードは風の教団が使役しているエレメンタルだ。
《秘儀の調査員》
ウィザードは呪文を使うだけではなく、その【知力】で古文書や暗号を解読するなど、パーティの知恵袋としても活躍できる。このように、こういうキャラクターならこういうことができそうだと挑めるのがTRPGの面白みの1つだ。
《ゲートを塞げ》
魔法の門であるゲートやポータルは、閉じてしまえば次元の接続が切れて向こうのモンスターがこちらに来ることは(当面)ない。
《ウォーターディープの黒杖》
高名なウィザード、“ブラックスタッフ”ケルベン・エアランサンが作成した魔法の杖。その中には代々の継承者の人格を持つ精神体があり、ウォーターディープのウィザードたちに受け継がれてきた。
《ブルー・ドラゴン》
D&Dのブルー・ドラゴンは乾燥した砂漠などに住み、地底の広い洞窟を好む。吐くブレスは電撃で、空気には独特な臭いが混じる。
《魔法の眠り》
D&Dといえばスリープの呪文だが、《睡眠》ではなくこちらの再録になった様子。
《賢い妖術師》
英語のConjurerはウィザードの秘術系統の1つで、D&Dでは召喚術士と訳される。手品のように物体や生物を移動させる魔法だ。
《コンタクト・アザー・プレイン》
高い知性を持つこの世ならぬ存在に接触し、助言を乞う呪文。冒険に行く先の事前調査などに役立つが、異次元の存在に接触して狂気に陥るリスクもある。
《デミリッチ》
高レベルの呪文使いがアンデッド化したリッチは、他の生物から生命力を奪えないでいると肉体が崩壊して髑髏だけになり、滅ぶこともできずに存在し続ける《デミリッチ》と化す。
だが、これを逆用して肉体を滅ぼすことで精神だけの存在に昇華する存在もいる。このカードが持つ3番目の能力は、そんな秘術かもしれない。
《ディスプレイサー・ビースト》
触手が生えた黒豹のような外見の狩猟動物で、残像を伴っているため攻撃が外れることも多い。やっかいなモンスターだ。
ところで、小説『宇宙船ビーグル号』にはクァールという触手を持つ猫のような宇宙生物がいる。そしてD&Dの『モンスター・マニュアル』(旧版のもの)を大いに参考にしているファイナルファンタジーにはクアールという猫のような触手を持つモンスターがいて……かくのごとく、情報は循環していくのである。
《ジンの風予見者》
D&Dのジンは、誇り高く善良な風のエレメンタルだ。伝承によると彼らは3つの願いを叶えてくれるというが……。
《竜亀》
ドラゴン・タートル。イラストの通り、海底に住む非常に巨大なモンスターだ。
《奇抜な弟子》
ウィザードの強力な呪文のひとつに、相手を小動物などに変身させてしまうポリモーフがある。ダンジョンを踏破した弟子は、これを使えるようになったのだろう。
《フェイワイルドのペテン師》
ウォーロックはこの世ならぬ存在と契約する。ティタニアやオベロンをはじめとした妖精界フェイワイルドの貴顕、アーチフェイたちもそういった存在で、移り気でいたずら好きな彼らの性向に似た者も多い。
《フライ》
空を飛べるようになる定番の呪文。飛べる人数に制限はあるが、砦の壁を越えて中から鍵を開けたり、高い場所から周囲の様子を見てみるなど、使いどころは多い。
《イリシッドの学者、グラジラックス》
イリシッドはマインド・フレイヤーとも呼ばれる、タコのような頭を持ち犠牲者の脳を吸い取るモンスター。
グラジラックスは地下世界アンダーダークで起こる問題を解決しようと利害や種族の垣根を越えて集まった集団のリーダーを務めている。
《ギルドのシーフ》
盗賊といえば、何らかのギルドに所属しているのがファンタジーの定番だが、もちろんフォーゴトン・レルムにもそういう結社がいくつかある。ウォーターディープのザナサー・ギルドや、レルム全体に根を張るゼンタリムなどだ。
《砂漠滅ぼし、イムリス》
アノーラックの砂漠に住むブルー・ドラゴン。魔法に長け、そのねぐらも魔法の産物によって守られている。彼女は巨人族との繋がりも深く、アドベンチャー『Storm King's Thunder』(未訳)に関わっている。
Desert Doomが砂漠滅ぼしと訳されているが、砂漠に住む破滅の方がより適切だろう。
《マインド・フレイヤー》
口の触手をまとわりつかせて犠牲者の脳を吸い取る怪物。種族名をイリシッドという。彼らは精神の力たるサイオニックにも通じ、敵の精神を破壊したり支配することができる。
《モルデンカイネン》
D&Dの多元宇宙でフォーゴトン・レルムとは異なる物質界、グレイホークことオアース出身のウィザード。善と悪、秩序と混沌を観察し、それらの均衡を保つための活動をしている。フォーゴトン・レルムに訪れたこともあるので、プレインズウォーカーとしてカード化されたのだろう。
トークン生成能力は、彼が開発したモルデンカイネンズ・フェイスフル・ハウンドの呪文から。
ゲーム外の話をするなら、D&Dを作った1人、ゲイリー・ガイギャックスの使ったキャラクター。彼が世を去った今でもその名は残り、『モルデンカイネンの敵対者大全』の書名にも採用されるほどである。
《モルデンカイネンの変身》
かつての版では、変身の呪文で自分や仲間を強力なモンスターに変身させて戦う術者もいた。D&Dの多元宇宙を股にかける有名人、大魔法使いモルデンカイネンともなれば、そういう時代の名残である“特別製”の呪文を持っているのかもしれない。
《ピクシーの案内人》
D&Dには援護という、仲間に助言を与えたり応援することで判定に有利(アドバンテージ)を与える行動がある。イラストの右下に描かれた人物はその恩恵にあずかっているのだろう。
《説得の力》
まさにD&Dには〈説得〉という技能がある。敵が金銭で雇われたり、無理矢理働かされているなら、利益を提示してこっちの味方をした方がいいと〈説得〉してみる価値はある。
《レイ・オヴ・フロスト》
初級呪文と呼ばれる、術者が最初に覚える呪文の1つ。これらは何も消費せず何回も使える呪文なので、色々なことに使える。飲み物に氷を浮かせたり……。
《霧氷盾のフロスト・ジャイアント》
彼らは嵐とともに北から現れる寡黙な略奪者だ。のを言うよりも雄弁に破壊し、そして奪っていく。そして自らの身を略奪品で飾るのだ。
《ステュギアの末裔》
デヴィルの本拠地、九層地獄の第5階層ステュギアは寒風吹きすさぶ荒野だ。このカードに描かれたティーフリングは、かの地に住まうデヴィルに帰依しているのか、はたまたその血を引いているのかもしれない。
《隠し扉》
住人や管理者が使うための隠し扉を見つけて開ければショートカットできるダンジョンも多い。
《ショッキング・グラスプ》
相手を掴んで電撃を浴びせる初級呪文。金属の鎧を着ている者への効果は抜群なのだが、いかんせん接触しないといけないので覚えるウィザードは少ない。
《近道探し》
絨毯の下の隠し扉は敵の本拠地か、隠された宝物庫か。フレイバー・テキストの通り、ありがちだが心躍るシチュエーションだ。
《シルヴァー・レイヴン》
これは魔法の小さな像フィギュリーン・オヴ・ワンドラス・パワーのうち、銀のワタリガラスを模したものである。合言葉を唱えて投げると、しばらくの間生命が吹き込まれ、偵察など使い手の役に立ってくれる。
《魂刀のスパイ》
魂刀ことSoulknifeは、かつて存在したサイオニック能力を使うクラスの名前で、精神力を武器として具現化させて戦うものだった。現在のD&Dでも、ローグがその技を使うことができる。
《パーティの分裂》
フレイバー・テキストの「やめて」は、イラストのキャラクターが喋っている他にも、スポットを交代に当てたりする面倒が増えるから「やめて」という、DMによる心の叫びである。
《突然の洞察》
魔法のアイテムでの成功体験に囚われると、世界が灰色に見えてしまう副作用がある。キャラクターも、そしてその裏にいるプレイヤーも。
《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》
高名な魔法使いターシャが編み出した呪文。かかった相手は笑いが止まらなくなり、大きな隙を作る。
《ペテン師のタリスマン》
D&Dの方にはずばりな魔法のアイテムはないが、一時的な分身を作るアイテムなどとして逆輸入するのもおもしろい。
《トゥルー・ポリモーフ》
物体や生物の区別なく、何かを何かに変身させてしまう呪文。D&Dでは、最高レベルである9レベルの呪文。
《ウィザード・クラス》
秘術を学ぶ学徒であり実践者。彼らは学べば学んだだけ、その呪文を増やしていくことができる。これは生まれつき呪文を使えたり、契約や加護によって与えられる者とは違う強みだ。
《ウィザードの呪文書》
ウィザードは学問として呪文を学び、その成果を呪文書に書き記すことで使える呪文を増やす。つまり、遺跡に眠る巻物や、敵から奪った呪文書からも呪文を学べるチャンスを持つ。
《君は川にたどり着いた》
流されないように気をつけよう。自然は時に武装した冒険者最大の敵になる。
《君は悪党の住処を見つけた》
ここで冒険に区切りをつけるか、それとももうちょっと様子を見るか。そういうことも君が決められる。
《君は近づいてくる護衛兵に気づいた》
フレイバー・ワードに「殺す」がない。優しいプレイヤーだ。
《ユアンティの呪われし者》
人の体に蛇の頭を持つ種族、ユアンティ。彼らは古代から残った神殿などに住み、邪なるものに奉仕している。
黒
《アーチリッチ、アサーラック》
ダンジョン《魂を喰らう墓》を建造したリッチその人。踏破したら褒美として出てくれるのは原作再現なのだろうか。
アサーラックはそもそも《モルデンカイネン》と同じグレイホークを舞台にした悪名高いダンジョン『恐怖の墓所』に登場した《デミリッチ》だった。それが何度も再利用されたせいか人気のせいか、今では多元宇宙のさまざまな場所に精神を投影できる存在へと設定が盛られている。
《アーチフィーンド、アスモデウス》
九層地獄バートルの最下層、ネッソスに住むデヴィルの支配者。D&Dのデヴィルは秩序にして悪の存在で、宇宙を統制して支配することを目的としている。このためアビスに住むデーモンとは相容れず、多元宇宙のいたるところで流血戦争と呼ばれる宇宙的な戦いを繰り広げている。
アスモデウスはデヴィルの中で唯一神格を持つため、他のデヴィルとは文字通り格が違う。さらに彼には秘密があり、この人型の肉体も分身に過ぎず、本体はネッソスの谷深くで傷を癒やしている多元宇宙を産んだウロボロスの片割れ、完全なる悪の存在だと主張する者もいる。
《悪意のビホルダー》
目玉の暴君とも呼ばれるビホルダーは、一番大きな目から魔法無力化の光線を、頭の上についたいくつもの目からさまざまな効果を持った光線を放つ。
《ブラック・ドラゴン》
D&Dのブラック・ドラゴンは沼地やジャングルに住み、酸のブレスを吐く。出くわすものすべてを殺そうとする凶暴性を持つ。
《不浄なる暗黒の書》
多元宇宙すべての邪悪が記されたと伝わる書物。このアーティファクトで生成されるヴェクナは、この本を最初に記したと言われるアンデッドのウィザードにして神格である。
《罠を探す》
相手の手札を見ないとわからないドキドキは確かに罠探しとも通じるものがある。ところで、判定前にフレイバー・テキストのようなことを口走るとだいたい……。
《かたつく骸骨》
スケルトンはダンジョンの衛兵として定番だ。そして、ちょっとした術者ならばダンジョンに挑み、死んでいった者たちの亡骸からスケルトンを作ることもたやすい。
《命取りの論争》
アイテムを盗ってきて「ナイフと交換したのさ」などと言うローグはだいたい悪属性である。
《ミルクルの死の僧侶》
ミルクルのD&D第5版での訳語はマークール。死を支配する神で、死す者の魂を裁きに連れて行くのをその仕事にしている。レルムの民がこの世に蘇って欲しくないような者を埋葬するときは、彼を祭る墓地に埋めることもある。
《デモゴルゴンの手中》
デモゴルゴンとはお互いが常に争う双頭を持つ狂気のデーモン・プリンス。D&Dのデーモンは無限の層なす奈落のアビスから生み出される混沌と悪意の具現で、彼らが世界に溢れるとその世界もまたアビスに取り込まれてしまうと言われている。
《知性喰らい》
イラストはインテレクト・ディヴァウラーという《マインド・フレイヤー》が作り出すモンスターで、宿主の脳を喰って奪う恐るべき存在だ。
《ドライダー》
《蜘蛛の女王、ロルス》が与える試練に失敗したダーク・エルフは、下半身が蜘蛛のドライダーに変化させられる。そして多くの者は狂気に陥り、精神性も怪物のそれへと変化していく。
《ダンジョン・クロウラー》
ゾンビのような定番のモンスターはどのダンジョンにも出てくる事を現わしているのか。
ネクロマンサーというのは、ウィザードの専門分野の1つでD&Dでは死霊術と訳される。命を操る術だ。
《ドラコリッチ、エボンデス》
かつてネヴァーウィンター近傍の死者の沼地を支配していたブラック・ドラゴンが、魂を物質に結びつけて不死と化す秘法でアンデッドのドラコリッチとなった姿。長い間行方不明になっている。
《ビホルダーの眼》
ビホルダーは顔の中心にある眼から魔法無力化光線を、頭に10本ある触手から破壊光線や石化光線などさまざまな光線を発射することができる。つまり11個の目玉から光線を発射して-11/-11というわけだ。
英語名の《Eyes of the Beholder》は、D&Dのコンピュータ・ゲーム『Eye of the Beholder』からか。
《悲運の逆転》
かくして物語は終わった。だが……! という終わり方になるのもまた一興ではある。
《フェイン・デス》
死を偽装する呪文。+1/+1カウンターは、この乱戦をやりすごして死体から剥ぎ取るということだろうか。
《偽りのパラディン》
プレイヤーのキャラクターには推奨されないが、D&Dではパラディンのクラスに手を加えることで、悪に堕ちた騎士などを表現することができる。
《ゼラチナス・キューブ》
ダンジョンの通路を埋めんばかりの大きさの立方体。無色透明で、近くを通った者を丸呑みにしてじわじわと消化する。
《不気味な報償》
どこからこの報酬が出たんだろうと考えると、まあそういうことですよねとなることはままある。
《不気味な放浪者》
D&Dのウォーロック(妖術師)は大いなる力を持つ存在と契約して魔力を授かった存在だ。悲劇的な背景を持つ彼にはどんな物語があるのだろう。
《ハダルの伝令》
この多元宇宙の外にある別の宇宙や星々へ手を伸ばし、クトゥルフをはじめとした古きものと契約するウォーロックたちがいる。ハダルもそのような相手の1つで、凶兆を示し赤く燃え尽きた星だ。
《雇われた魔剣士》
ウォーロックの中には、多元宇宙にさまざまな形で顕現する魔剣と契約する者たちがおり、それをヘクスブレードと呼ぶ。このカードに描かれているのもその1人だ。
《財宝荒らし》
さまざまなところに目星をつけ、財宝の臭いを嗅ぎつけるのもローグの仕事である。
《足早のローグ》
フレイバー・ワードの騙し討ちは英語版ではSneak Attack。隙を突いて攻撃し、大ダメージを与える能力だ。
《蜘蛛の女王、ロルス》
いわゆるダーク・エルフであるドラウを支配する女神。子孫たちに理不尽な試練と制裁を与え、憎み合わせ、競い合わせている。神はその力で分身を別の次元界に送り込んだり、自ら降臨することも可能なので、プレインズウォーカーとなったか。
《マンティコア》
獅子の体に老人の顔、蝙蝠の翼を持ち尻尾には棘が生えている。伝統的なマンティコアがついにマジックにも登場だ。
《パワー・ワード・キル》
ヒット・ポイントが低い相手を一言で殺す呪言。実際のプレイではある程度削った後にダメ押しや観測気球として使われる。
《急な落下》
落とし穴や崖からの落下ダメージは案外馬鹿にならない。それが数階層を貫くものならなおさらである。
《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》
この黒い光線を出す呪文は命中した目標の筋力を落とし、武器によるダメージを低下させる。
《死神のタリスマン》
タリスマンのカードは色ごとの役割が強調されるマジックならではの効果だ。こういうものをD&Dでどう再現するか考えるのも面白い。
《墓所のグール》
D&Dのグールは邪悪なエルフが《不死のプリンス、オルクス》から変化させられた起源を持つ。彼らは動物の死骸を好んで喰らう。
《よろめく怪異》
英語版では《Shambling Ghast》。ガストはアンデッド、グールの上位種で、凄まじい悪臭を放って敵を弱体化させるモンスターだ。
《スカルポートの商人》
大都市ウォーターディープの地下、アンダーマウンテンのダンジョンにある悪党の街がスカルポートだ。奴隷、薬物、詮索なしで仕事をする傭兵など、あらゆるものが取引される暗黒街だ。
《スフィアー・オヴ・アナイアレイション》
多元宇宙に開いた穴。これに吸い込まれたものは失われ、二度と戻ってこない恐るべきアーティファクト。きちんと操作するにはタリスマンが必要である。
《盗人の道具》
盗賊といえば、鍵開けや罠外しのために使う7つ道具である。
《吸血鬼の落とし子》
D&Dではヴァンパイア・スポーンと訳されているモンスター。ヴァンパイアに殺された者のなれの果てで、彼らも血を求めてさまよう。
《ヴォーパル・ソード》
クリティカルしたら相手の首を刎ね殺す魔剣。発動は難しいが、爽快感は凄い。
《ウォーロック・クラス》
この世ならぬ存在と契約して呪文を授かった者。相手を呪ったり、相手の命を吸い取ることで行使できる力も持つ。
《西門の主》
西門とはソード・コーストの東にある内海、落星海の沿岸、ドラゴン・コーストにある腐敗した商業都市ウェストゲートのこと。この街にはかつて多くのヴァンパイアがいた。
この街のヴァンパイアで高名だった者の1人に、ゼンタリムの首領、マンシューンのクローンがいた。このカードが伝説のクリーチャーでないのは、つまり……。
《ワイト》
生に執着し、死の間際に邪悪な存在に縋ったものはアンデッドと化す。それがワイトだ。
《ユアンティの毒牙刃》
蛇人間ユアンティの中には、自らの体から抽出した毒を使う者もいる。
《ゾンビ・オーガ》
生前強かったほうが、ゾンビになっても役に立つ。オーガのそれは定番なのか、『モンスター・マニュアル』にもデータが載っている。
赤
《武器庫の古参》
敵に合わせて一番効率よくダメージを与えるアイテムを後生宝に持っていると、よくこういうことになる。TRPGをしていると苦笑するカード。
《バーバリアン・クラス》
自らの野生を肯定し、それとともに生きる者。荒々しい感情を爆発させる激怒や、各種肉体の能力を強化する特徴を持つ。
《雄叫ぶゴブリン》
D&Dのゴブリンは臆病だが、ホブゴブリン、バグベアなどのゴブリン類で束になった集団戦術は侮れない。そんな手強さを表現したカードといえよう。
《ブーツ・オヴ・スピード》
かかとを打ち合わせると移動速度が倍になり、敵から受ける攻撃も避けやすくなる。かつての版では攻撃回数も増えるような効果があり、マジック版はその懐かしさも入っている。
《ブラス・ドラゴンのドワーフ》
血統によって魔法が使えるようになるのはD&Dではソーサラーだが、マジックで再現するにあたり、シャーマンになったと考えられる。それはそうと、竜の血脈ソーサラーでも、ブラス・ドラゴンの血を引く者は火の扱いに長けている。
《バーニング・ハンズ》
両手から火を噴出させて敵を焼く呪文。両手から噴出させるので、当然術者は前に出ていないといけない。つまりウィザードからは敬遠されがち。
《混沌の媒介者》
こちらのソーサラーは荒ぶる魔法と呼ばれる、制御されざる混沌の力を使う。D&Dの方では、ランダムに爆発が起こったり、体中の毛が抜け落ちたりする表を使うことがある面白いクラスだ。
《クリティカル・ヒット》
D&Dでは攻撃ロールの出目が20だとクリティカル・ヒットになり、ダメージのダイスを2倍にする。それがしっかり再現されている。
《暴走魔道士、デリーナ》
コミック『バルダーズ・ゲートの伝説』の主役パーティの1人、デリナがカード化。彼女も制御不能な力に悩むソーサラーで、その魔法暴走によって《敬愛されるレンジャー、ミンスク》は石像から復活することになる。
《ドラゴンの火》
戦場にドラゴンが飛来し、ブレスを吐いて飛び去っていく。それだけでも状況が劇的に動いてしまうことを現わしている。
《決闘のレイピア》
さっと抜いた剣が業物だった。そんな不意討ちを表現しているカード。
《大地教団の精霊》
邪悪なエレメンタル、元素邪霊を崇める教団が使役するアース・エレメンタルだ。
《ファリダの火の玉》
D&Dの顔といってもいい呪文、ファイアーボールだが、マジックでその名前は《火の玉》が占有しているのでどうなることかと思っていたが、キャラクターの名前を冠して堂々登場した。
《フレイムスカル》
ウィザードの死体から創造された頭蓋骨だけのアンデッドで、浮かんで移動し、高い知性を持ち呪文も使うことができる。
《ゴブリンの投槍兵》
D&Dのモンスター・データとしてのゴブリンはジャヴェリンを持ち、これを投げてくるのが最初のうちは結構痛い。
《ゴブリンのモーニングスター》
居眠りしているゴブリンが、起きた時に武器を掴んでられるかは運次第。こういう少しコミカルな動きができるのもゴブリンの強さだ。
《溜め込むオーガ》
オーガが略奪して宝を溜め込み、それを使って悪い魔法使いは新しい兵士を雇う仕組みを再現している。
《ホブゴブリンの山賊の頭》
D&Dのホブゴブリンは体格がよく、軍略を巡らす知性も持った戦闘巧者で、ゴブリン類の知恵袋である。
《ホブゴブリンの隊長》
ゴブリンとホブゴブリンは死した後、彼らの神マグルビイェトに召し上げられ、その戦列に加わるという神話を持つ。ホブゴブリンはこのことを名誉と考え、積極的に戦いをする。しかし、ゴブリンは死んでもこき使われることを嫌って死にたがらないという違いがある。
《巨体のバグベア》
ゴブリン類の筋肉担当がバグベアだ。このレベルの敵にしては腕っ節がめっぽう強い。
《間に合わせの武器》
D&Dのルールにも、その辺にあるものを武器に使うルールがある。脱獄する時も安心だ。
《星山脈の業火》
古代の森林地帯が残っている高森の中にそびえるのが星山脈だ。そこに住む“業火”ともあだ名されるレッド・ドラゴンは、ソード・コーストからさらに内陸部に渡って伝説となっている存在だ。
しかし、彼はその実在性すらも疑われるほどに下界への干渉を行なわず、超然としていることでも知られる。一説によると、彼は星山脈にある魔法のポータルで別の大陸に主たる狩り場を持っていると伝えられている。
《疲れ切った売剣》
売剣はいわゆる傭兵のこと。急ぎの仕事でも報酬次第で元気になるのが冒険者だ。
《扉を破り開ける》
赤らしい解決方法だ。フレイバー・テキストの通り、バーバリアン流の解決法でもある。
《マジック・ミサイル》
特別な方法で対策を講じていない限り、必ず命中してダメージを与える魔法の矢。1レベル呪文で1つ1つのダメージは低いが、馬鹿にするものではない。
《ミーティア・スウォーム》
ミーティアはメテオとも。最大レベルの9レベルに位置し、天から星を落とす破壊呪文。
《強き者の下僕》
D&Dのコボルドはドラゴンに憧れ、勝手に奉仕することもある種族だ。本当にドラゴンを崇め、共に戦う者たちもいる。
《オーヴ・オブ・ドラゴンカインド》
ドラゴンを引き寄せ、操る力を秘めたアーティファクト。だが、使う者をドラゴンの下僕にしてしまう危うさも持っている。
《略取するバーバリアン》
激怒しているバーバリアンは【筋力】判定に有利を得るので、宝箱を破壊するのもこじ開けるのも大得意だ。
《忠誠の代価》
ちょっと財宝を握ってもらってこっちの味方をしてもらうカード。イラストでゴブリンから賄賂をもらっているのは、犯罪都市バルダーズ・ゲートの衛兵だ。
《レッド・ドラゴン》
もはや何を説明するまでもなく、D&Dを象徴するモンスター。山岳に住み、火のブレスを吐く。財宝への飽くなき貪欲さ、そして増上慢の傲慢さを持つ。
《ラスト・モンスター》
LastではなくRust。錆のモンスターである。甲殻類のような甲羅に覆われ、先端にアンテナ状のものがついた尻尾を持つ。彼らに触られた金属は錆びてしまうのが最大の特徴で、戦闘能力以上に恐れられる有名なモンスター。
《群がるゴブリン》
ゴブリンは集団になってやってくるのが怖い。
《虎飼い族の狩人》
レゲド氷河の近くには虎を崇めるバーバリアンの一団がいる。このカードもそれらの一員か。
《予想外の授かり物》
デック・オヴ・メニー・シングズで宝石のカードを引くと、足元にたくさんの財宝が現れる。その場面だ。
《武勇の歌い手》
D&Dのバードは自ら武器を取って戦うこともできる。そして、そのさなかでも仲間を援護する器用さも持つ。
《願い》
D&Dでの呪文名はウィッシュ。最高レベルである9レベルの呪文で、DMの許可するかぎりおよそあらゆる奇跡を起こすことができる。
《ゾーン》
「地球のエレメンタルの次元」ではなく「地の元素の次元」である。ゾーンは宝石を食べるモンスターで、おいしい食べ物を求めて洞窟を徘徊している。
《君はノールの野営地に出くわした》
遭遇戦に備えるか、あるいは回避して戦力を温存するか。判断のしどころだ。
《君は囚人を見つけた》
「解放する代わりに……わかるね?」と言えば、囚人は敵の内情を喋ってくれるかもしれない。
《君は二匹のゴブリンを見つけた》
敵のはずのモンスターと交渉して仲間にするのもTRPGならではの楽しみだ。
《ファイヤー・ジャイアントの公爵、ザルトー》
神々に捧ぐ戦いを夢見た戦争狂のファイアー・ジャイアント。彼はアドベンチャー、『Storm King's Thunder』(未訳)に関わっている。
《アヴェルナスの大公、ザリエル》
かつてのザリエルはセレスティアと呼ばれる天界に仕えるエンジェルだった。しかし、デヴィルとデーモンの戦いを記録し続けるうち、セレスティアの軍勢で両者を殲滅すべしと主張し、それが容れられなかったため、自ら騎士団を引き連れて戦争の最前線アヴェルヌスへ赴き、敗北した。
瀕死の彼女を救ったのは九層地獄の支配者アスモデウスで、以後、ザリエルは地獄の君主の1人として戦争に明け暮れている。『バルダーズ・ゲート:地獄の戦場アヴェルヌス』では、彼女がアドベンチャーのキーパーソンとなる。
緑
《ブレイ》
地の鮫とも呼ばれる地下に住むモンスター。地面の底を這い回って振動で獲物を探し、大きく飛びかかって狩りをするはた迷惑な存在。
《雄牛の筋力》
第5版ではエンハンス・アビリティの一部になっているが、かつては6つの能力値すべてに対応する強化呪文があった。そのうちの【筋力】を強化する呪文。
《武器を選択せよ》
武器を使うクラスは戦闘スタイルを選んで専門的な戦い方を学ぶ。二刀流か弓術かレンジャーの一生を決める選択だ。
《夢の円環のドルイド》
『ザナサーの百科全書』に収録されているドルイドの円環(同じ見解を持つ者たち程度のつながり)には、夢の円環がある。彼らは妖精界フェイワイルドとの関わりが強く、善の妖精たちと友誼を結ぶ。
《月の円環のドルイド》
月の円環のドルイドは自然の守護者で、動物に化身してその力を振るうのを得意にしている。
《コンペルド・デュエル》
相手に術者に近寄って決闘しなくてはいけない気持ちにされる効果を持つ呪文。敵を釘付けにするのに便利。
《うろつくダイア・ウルフ》
D&Dでは旅の道中で出会うものをダイスで決めるランダム遭遇表を使うこともある。低レベルのうちはこのダイア・ウルフのようなモンスターが敵対的に出現すると、下手なダンジョンに挑むより厳しかったり、誰かが頓死することもある。こういう要素は好き嫌いが分かれるので、使うかどうかは参加者の好みを聞いたり、最初に告知しておくことをおすすめする。
《ドルイド・クラス》
自然を尊び、そこから力を得る者。彼らは癒やしから攻撃までのさまざまな呪文や、自分を動物に変化させるなど、自然を由来とした力を使い、世界のありようを守るために戦う。
《エリーウィック・タンブルストロム》
第3.5版の時代、クレリックのサンプルPCとして登場したキャラクター。今はバードになっているが、色々あったのだろう。D&Dで高レベルの術者は次元界を移動できるゆえ、プレインズウォーカーになったと考えられる。
《君は~》シリーズのカードに描かれているハーフリングは……?
《エルターガルドのレンジャー》
聖騎士団に守られた国、エルターガルド。これはそこに住むレンジャーだろう。聖都エルタレルが謎の消失を遂げる事件により、この国は大きく揺れることになる。
《ファインド・ザ・パス》
目的地までの最短距離を知ることができる呪文。ドルイドやレンジャーが使えるので、野外での冒険では重宝する。
《フロギーモス》
大きな口といくつもの触手を持つ大食いの不思議な生き物。蛙人間ブリーワグからは神のように崇められており、共生関係を結ぶこともある。
《ノールの狩人》
ノールはデーモン・ロードのイーノグフと関わりが深い種族で、ハイエナのような犬のような頭を持つ。血に飢えた狩人だ。
《グリーン・ドラゴン》
D&Dのグリーン・ドラゴンは森に住み、毒ガスのブレスを吐く。縄張り意識が強いのはドラゴン共通の特徴だが、彼らは深い策謀という形でそれを行使することが多い。
《群喰らいのヒル・ジャイアント》
ヒル・ジャイアントは大食らいの上、とにかく何でも食べる。腐ったものや泥までも。
《ハンターズ・マーク》
獲物に狙いを定めて魔法の印をつけ、攻撃のダメージを強化するレンジャーの呪文。
《鼓舞するバード》
バードは冒険で仲間を鼓舞する他にも、休憩中にも癒やしの歌を唄い、仲間の回復を助けることができる。
《インストゥルメント・オヴ・ザ・バーズ》
魔力が付与された楽器。さまざまな呪文が込められており、聞くものを魅了する手助けもしてくれる。
《豪胆な辺境育ち》
多くの作品で悪役に回ることが多いオークだが、D&Dではハーフオークや、場合によってはオークをプレイすることもできる。
《毒々しいトロール》
D&Dのトロルは火か酸で処理しない限り、失った器官も再生していつの間にか戻ってしまう。このカードはそんなしぶとさが出ている。
《大休憩》
D&D用語では、6時間以上の睡眠と会話や飲食程度の軽い活動2時間からの最低8時間をかけた休息が《大休憩》で、これを終えるとヒット・ポイントは全回復し、使った呪文スロットなども回復する。
あなたは最近《大休憩》できてますか?
《隠れ潜むローパー》
ローパーは洞窟の石筍や柱に擬態し、長い鞭のような触手で獲物をつかんで食べる。そして、それが終わったらまた石のふりをする。
《ネヴァーウィンターのドライアド》
D&Dのドライアドは木と結びついた森の妖精で、動植物と会話するように意思疎通ができる。
《オーカー・ジェリー》
D&Dのウーズはどれもこれも嫌らしい効果を持つモンスターだが、これは攻撃したら分裂する面倒くささを表現している。
《年老いた骨齧り》
ウォーターディープの近くにある森に住むグリーン・ドラゴン。彼女は極めて狡猾で、ヒューマンやエルフとしての姿も持つ。多くのクリスタル・ボールで世界を監視して陰謀を張り巡らせている。
《アウルベア》
クマとフクロウが合体したようなモンスター。飛ぶことはできないが、爪に加えてくちばしという武器を手に入れている。
《垂直落下》
開けた場所でドラゴンと戦うのは難しいが、このカードのように討ち取った時の達成感も大きいはずだ。
《裕福な亭主》
ハーフリングは身長が低い“小さい人”の種族。能力は財産を持ち、旅人に料理を振る舞う宿屋の亭主を再現している。
《パープル・ウォーム》
地下を這い進む紫長虫。非常に大きく、人型生物くらいなら丸呑みにしてしまう。存在そのものが災厄の類いだ。NetHackで知った人も多いのではないだろうか。
《レンジャー・クラス》
未開の荒野を放浪する戦士。彼らは荒れ野で生きるすべを心得ているため、道案内から戦いまで、さまざまなことができる。動物の相棒を得ることもでき、カードではそれが強くフィーチャーされている。
《レンジャーの長弓》
レンジャーは弓の名手だ。D&Dで魔法の弓は放たれた矢にも魔法の力を与えるから便利である。
《鱗の薬草医》
彼らはリザードフォーク(いわゆるリザードマン)だろうか。このような判断の基準がヒューマンに近い人型生物とは異なるキャラクターとの交流も、RPGの面白いところだ。
《狩りの戦利品》
《不気味な報償》もそうだったが、宝物を使って強化して敵を仕留めるカードのフレイバーが、敵の持ち物を売り払って修復費にするずれに、異なるゲームの混じりあいを感じるカードである。あるいは、実際に動く冒険者と事件の黒幕であるプレインズウォーカーの差だろうか。
《森の導き手》
D&Dのドルイドは回復や防御の呪文を使えるので、クレリックに似た動きをすることもできる。
《タラスク》
世界に1頭しか存在しない怪物。普段は地底深くで眠っているが、ひとたび目覚めればその体は剣も呪文も弾き、文明を破壊するまで止まらぬとも言われている恐怖の象徴。
《アンダーダークのバジリスク》
D&Dでもバジリスクは視線に石化の力を持っている。フレイバー・テキストでも語られているが、彼らは獲物をかみ砕く顎も強い。
《銀月街のレンジャー、ヴェイリス》
銀月街はD&Dではシルヴァリームーンと訳される、緑豊かでエルフ、ドワーフ、ヒューマンが調和して暮らす都市のこと。彼女はそこで生まれたハーフエルフのレンジャーという、ある種定番のキャラクターだろう。
おそらく彼女も《君~》シリーズの一員。
《放浪する吟遊詩人》
このバードは竜の頭を持つ種族、ドラゴンボーンだ。彼らは故郷の世界と切り離されて安住の地を失った種族でもあることを考えると、このカードの意味は深いかもしれない。
《群れ率いの人狼》
人狼はD&Dだとライカンスロープといい、呪いによって変異する。ワーウルフの他にもワーベア(人熊)、ワーラット(人鼠)などがいる。
《自然の化身》
ドルイドが使う動物への変身能力をカード化。彼らはこうやってその場に適した動物になれる。
《君は呪いの彫像を見つけた》
この彫像はかつてのルールブックで表紙にもなっていた有名なものだ。最近の版でもちょくちょくカメオ出演している。
もちろん彫像の眼は宝石でできていて……。
《君は林に差し掛かった》
夜は獰猛なモンスターが活動的になる。早めに行軍を止め、キャンプをするのも策のうちだ。
《君たちは酒場で出会った》
君シリーズのカードに出ている冒険者パーティ結成の図であり、TRPGの導入でも定番。
多色
《アダルト・ゴールド・ドラゴン》
ゴールドなど金属の名が冠されているメタリック・ドラゴンはD&Dでは善の存在だ。ゴールド・ドラゴンは人里離れた場所に住み、そっと人々を見守っている。
《バード・クラス》
技芸に通じた吟遊詩人。彼らは音楽を通じて魔法を使い、仲間を鼓舞して敵をくじく。また、ある程度の武芸にも通じている。
《ウンドゥル族のバローウィン》
悪と戦うことを使命とするガントレット騎士団に所属するドワーフ。金属が錆びていることが嫌いで、よく物を磨いている。
《ブルーノー・バトルハンマー》
ソード・コーストの北、北方で領主をしているドワーフの戦士。《ドリッズト・ドゥアーデン》に娘を助けられ、種族を超えた友誼を結んだ。
《ドリッズト・ドゥアーデン》
世界一有名なダーク・エルフ。善なる心を持ち、偏見にさらされながらも弱きを助け強気をくじく旅を続けている。グエンワイヴァーは長年連れ添っている魔法のアイテムから出てくる豹である。
《デヴィルに選ばれし者、ファリダ》
ファリダはD&D第5版の小説やビデオゲームで度々登場するティーフリング。誤ってデヴィルを召喚し、才を見込まれ呪文を授けられたウォーロックである。
《ファイター・クラス》
武器を己の技を頼みに振るう者。鎧を着てさまざまな武器を使いこなし、成長によっては武技や呪文といった技も身につけていくクラス。使う武器や戦術によって、まさに千差万別の動きがある。
《グレッチェン・ティッチウィロー》
ウォーターディープの近くで生まれ育ち、木を植えるためにバルダーズ・ゲートにやってきたハーフリングのドルイド。
《遺跡探し、ハーマ・パシャール》
おそらく《君は~》シリーズの登場人物。ダンジョンを仔細に探り、隅々まで謎を解くのが好きなようだ。
《隠棲した絵描き、カレイン》
魔法の応用で動く動物の絵を描く画家。今はネヴァーウィンターにいるダガルト・ネヴァレンバーの元愛人で、彼と別れた後に度々嫌がらせを受け、引きこもりがちになっている。
《バルダーズ・ゲートのクライドル》
コミック『バルダーズ・ゲートの伝説』シリーズに登場するハーフエルフのローグ(ならず者)。皮肉屋だが、英雄的だった冒険者をやめ腐敗したバルダーズ・ゲートの貴族議員になった父親に思うところがある理想主義者でもある。
《敬愛されるレンジャー、ミンスク》
コンピュータ・ゲームのバルダーズ・ゲートで仲間として登場し、その後も現在までさまざまな形でD&Dに登場している人気のキャラクター。イラストの通り、禿頭にタトゥーが特徴的な巨漢。武勇にすぐれるが頭はいまいちなのが玉に瑕。
彼曰くミニチュア・ジャイアント・スペース・ハムスターである勇敢なハムスターのブーを相棒にしていて、このカードでもブーと冒険している。
長らく石像と間違われて石化した姿で街に飾られていたが、《暴走魔道士、デリーナ》の呪文暴走で石化を解除されて百数十年ぶりに復活。コミック『バルダーズ・ゲートの伝説』で新たな仲間と共に大活躍する。
《モンク・クラス》
自らの肉体を鍛えて気なる謎の力を巡らせる修行に生きる者。彼らは鍛えられた武器のように強い拳を持ち、速い。カードの能力は連打に似たものや、気の循環をイメージしたものだろうか。
《不死のプリンス、オルクス》
D&Dの多元宇宙でもっとも有名かつ、もっとも倒され、もっとも多く蘇ったデーモン・プリンス。何度も倒されるがそのたびにしぶとく復活する彼は、アンデッドの力を司る。グールやワイトの創造主でもある。
《ローグ・クラス》
さまざまな技能を学び、急所攻撃などの技に長けた者。その技能は冒険の道行きを有利に運び、戦闘では爆発力を活かした攻撃も可能だ。カードの能力は、先行偵察し、仲間と共に抜け穴を行き、敵の財宝を使って逆転と、ローグの活躍をストーリー化している。
《死の囁き、シェスラ》
キャラクター自体はおそらくこのセットでの新顔。ウォーロック(邪術師)はこの世ならざる存在と契約して力を得るが、能力を見るに彼女は強大なアンデッドと契約しているようだ。
《群がる骸骨》
アンデッドの群れが人々を襲い、次々と仲間を増やしていく様子を描いたカード。実際、スケルトンやゾンビは変な耐久性があるのでたくさんいると面倒だ。
《ソーサラー・クラス》
血脈に宿った魔法の力を爆発させる者。彼らは学んだり、授けられて呪文を使うわけではない。彼らの祖先に魔法と関わり深い存在がおり、身の裡から力がわいてくるのだ。そして、レベルが上がるとその魔力を使った小技にも練達していく。
《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》
ノールにはデーモン・ロード、イーノグフの覚えめでたく変異した者がいる。彼もそういった1人で、九層地獄のアヴェルヌスでデーモンに仕えている。『バルダーズ・ゲート:地獄の戦場アヴェルヌス』にほんの少し出ている。
《ティアマト》
九層地獄という悪の次元界に拠点を構えるすべての悪のドラゴンの女王。万色竜(ザ・クロマティツク・ドラゴン)の異名を持つ。5色の頭に対応した愛人をはべらせ、しばしば地上の信者を使った降臨の計画を練っていたりする。
《月の踊り手、トレラッサーラ》
善の心を持つドラウの女神、イーリストレイーの信徒。彼女は現在ウォーターディープの地下にある女神の神殿を復興するために尽力しているという。
《勝利した冒険者》
宝物をたくさん手に入れ、騎士の称号も手に入れてウハウハな冒険者。かくありたい。
《モンスター見聞家、ヴォーロ》
ウォーターディープを拠点に世界中でさまざまなものを見聞きし、それを本にしている怪しい男。実は我々の住むこの世界でも『ヴォーロのモンスター見聞録』という本を出している。
《ギルドの重鎮、ザナサー》
ウォーターディープの犯罪結社、ザナサー・ギルドの長であるビホルダー。その正体を隠してトップに収まり、数多くの陰謀を操っている。ザナサーの名は代々の長(いずれもビホルダー)が名乗ってきたもの。彼の知識を記した『ザナサーの百科全書』はこちらの世界でも発売中。
ダンジョン
《狂える魔道士の迷宮》
第5版のアドベンチャー『ウォーターディープ:狂える魔道士の迷宮』の舞台になっている、大魔道士ハラスターが住まうダンジョンが《狂える魔道士の迷宮》である。
《ファンデルヴァーの失われた鉱山》
第5版のスターター・セットに入っているアドベンチャー『ファンデルヴァーの失われた鉱山』で挑むダンジョンの1つが《ファンデルヴァーの失われた鉱山》だ。
《魂を喰らう墓》
フォーゴトン・レルムの南国チャルトを舞台にした第5版のアドベンチャー『魂を喰らう墓』の最終目的地が《魂を喰らう墓》だ。
アーティファクト
《保有の鞄》
フレイバー・テキストにあるように、冒険で手に入れた財宝を全部持って帰るためにぜひ欲しいが、なかなか手に入らないのもありがち。
《デック・オヴ・メニー・シングズ》
何枚ものカードが入っており、それを引くことで莫大な財宝から圧倒的な力、そして速やかなる死まで、さまざまな効果を引き起こせる。D&Dのグッズとして、実際に引くためのカードセットが出ることもある。
《ダンジョンの地図》
地図があるならダンジョンの探索は格段に楽だ。それが正しければの話だが。
《アイ・オヴ・ヴェクナ》
秘された知識の神格にして、邪悪な古代の魔法使いにして王、ヴェクナの目玉と伝わるアーティファクト。使いたくば、自らの目玉をえぐり出して眼窩に入れる必要がある。超常の視覚とさまざまな魔力を与えるが、つけているだけでヴェクナに乗っ取られる危険がある。
《50フィートのロープ》
冒険者の初期装備でお馴染み、ロープだ。D&Dでは麻のものと、ちょっと高級な絹のものがある。
《グレートアックス》
D&Dのグレートアックスはダメージを決める時12面体ダイスを使える。12面体ダイスはそう使うことがない。
《ハンド・オヴ・ヴェクナ》
魔人ヴェクナの左手たるアーティファクト。こちらも自らの左手を切り落としてそこにつける必要がある。凍てつく冷気のような魔力が得られるが、常に悪事を働こうと隙を狙っている。
《アイアン・ゴーレム》
ゴーレムは命令を受けたら遂行するまで止まらない。このカードも、命令されると動き続けるさまを表現している。
《革の鎧》
D&Dではレザー・アーマー。油で煮て硬くした革を、柔らかい革でつなぎ合わせた鎧。それはそうと、《板金鎧》といい、物の名前を意味まで訳すのもそれはそれで味があって筆者は好きである。
《ミミック》
宝箱や家具に化けている定番モンスター。
《予備の短剣》
投げるための武器を持っているのは、近接攻撃を主としていても戦士のたしなみとする者たちも多い。敵が逃げようとしても投げつければとどめをさせるかもしれないからだ。
《とげの落とし穴》
落とし穴の中には先客が遺した宝物がひっかかっていることもある。
《宝箱》
D&Dをプレイしている時は、表を前にランダムに財宝を決めるのもまた一興。
土地
《フロスト・ドラゴンの洞窟》
これは《霜の暴君、アイシングデス》のねぐらだ。世界の背骨山脈のレゲド氷河の奥にあり、バーバリアンたちの聖地エヴァーメルトから行くことができた。
《バグベアの居住地》
バグベアはゴブリン類の中でも腕っ節の強い暴れん坊だ。ここからはそんな彼らを呼び出せる。
《ダンジョンの入口》
ダンジョンを支配しているなら、そこを冒険者に探索させよう。
《進化する未開地》
都市を空に浮かせるほどの魔法を誇った魔法帝国ネザリルは、崩壊してもなおその爪痕や遺産を残している。これもそのような土地の1つだろう。
《ストーム・ジャイアントの聖堂》
D&Dのストーム・ジャイアントは、他の小さい種族からは神のごとく崇められることもある善なる巨人だ。彼らはかつてあった巨人の国の栄華を想い、辺境で思索にふけっている。
《目玉の暴君の住処》
ビホルダーはアイ・タイラント、目玉の暴君とも呼ばれ恐れられている。これはそんな彼らが住んでいる場所だ。
《ハイドラの巣》
D&Dではヒュドラと訳される。首が落ちても火で焼かなければまた生えてくる恐るべき怪物だ。このイラストでは木のふりをしている。
《ドラゴンの女王の寺院》
《ティアマト》の神殿である。D&Dの悪いドラゴンは、白、青、黒、赤、緑でちょうどよくマナの色と一致している。
《宝物庫》
冒険者にとってはダンジョンを踏破した先にあるご褒美だが、大魔法使いたるプレインズウォーカーにとっては自らの財宝を溜め込む場所になる。
《平地》
262のフレイバー・テキストにある十の村はテンタウンズ。ソード・コースト北方の小さな共同体群で、厳しい気候に負けない人々が住んでいる。
264は……アノーラック砂漠の下で、かつて栄えたネザリル帝国の遺産でも見つけたのだろうか。
《島》
268のフレイバー・テキストにあるウォーターディープはソード・コースト随一の巨大都市で、さまざまな物語の舞台になっている。
269のフレイバー・テキストにあるメイルストロムは、ソード・コーストの西に広がる海の底にあるストーム・ジャイアントの要塞。
《沼》
270のフレイバー・テキストにあるアンダーダークは、フォーゴトン・レルムの地下に広がる広大な地底世界。そこには地上とは異なる種族や生態系がある。
271のフレイバー・テキストにある死者の沼は、ネヴァーウィンターの南に広がる沼地。《ドラコリッチ、エボンデス》がかつて住んでいた。
272のフレイバー・テキストにあるバルダーズ・ケートは、欲望渦巻く交易都市だ。
《山》
274のフレイバー・テキストにあるヒュンデルストーンは、世界の背骨山脈の西端にある鉱山の町。かつて《ドリッズト・ドゥアーデン》が立ち寄ったこともある。
275のフレイバー・テキストにある世界の背骨は、この記事でもたびたび出てきた世界の背骨山脈で、ソード・コーストの北を東西に横切っている。
《森》
279のフレイバー・テキストにあるネヴァーウィンター森には、植物に隠された古代の遺跡やエルフの王国など、さまざまな神秘がある。