レベル調整値を持つキャラクターが成長していくと、レベル調整値は彼により重い重圧となってのしかかるだろう。結果として、クリーチャー種別によって得られる利益を彼のクラスによって得られるそれが凌駕し、プレイヤーは種族の選択を後悔するかもしれない。この選択ルールを使えば、成長の合間に経験点をレベル調整値を軽減するために費やすことができる。
キャラクターのクラス・レベル合計(これにはクリーチャー種別やレベル調整値を含めない)が、レベル調整値の3倍に達する時にレベル調整値を下げることが可能になる。
たとえば、+1のレベル調整値を持つノールの場合を考える。ノールのキャラクターは3つ目のクラス・レベルを得る時(ノールが最初に持つ2ヒット・ダイスは数えないのを忘れずに)、彼は経験点を支払うことでレベル調整値を±0にまで軽減することができる。
+1以上のレベル調整値を持つ場合、これはクリーチャーのレベル調整値が±0になるまで繰り替えされる。そのつど、クリーチャーが持つ現在のレベル調整値を使い、レベル調整値を1減らせるレベルを再計算する。たとえば、ドラウ(レベル調整値+2)は6クラス・レベルでレベル調整値を+1にし、3レベル後に±0にすることができる。
表:レベル調整値の軽減は、レベル調整値が+1から+6のクリーチャーに対してそれを軽減できるレベルを示したものである。+7以上のレベル調整値を持つクリーチャーは、エピック・レベルに達するまでそのままのレベル調整値を持つため、この表には含まれていない。しかし、君はそのようなクリーチャーがレベル調整値をいつ減らすかを上で説明された法則に従って決定することができる。
開始時のレベル調整値 | レベル調整値を軽減できるクラス・レベル (種族ヒット・ダイスを除く) |
---|---|
1 | 3 |
2 | 6、9 |
3 | 9,15,18 |
4 | 12 |
5 | 15 |
6 | 18 |
レベル調整値を軽減することを選んだ場合、キャラクターはそのために経験点を失う必要がある。(現在の有効キャラクター・レベル-1)×1000経験点を失うこと。これは即座にキャラクターの総経験点から失われる。これによってキャラクターは有効キャラクター・レベルを1減少させる(もしこれによりキャラクターの有効キャラクター・レベルが1減少しないなら、経験点は現在の有効キャラクター・レベルより1つ下の最大値となる)。こうして失われた経験点はどのような方法でも払い戻されることは無く、消費はキャラクターの自発的な意志によるものに限られる。この消費はキャラクターのレベル調整値を軽減できる状態の時に行わねばならない。
たとえば、3つ目のクラス・レベルを得ることができる2レベル・ファイターのノール(有効キャラクター・レベル5)は少なくとも15000の経験点を持っている(彼の有効キャラクター・レベルは5から6に上昇する)。彼はレベル調整値を+1から±0まで軽減することができる。彼の有効キャラクター・レベルは6(2ヒット・ダイスと3クラス・レベルと+1のレベル調整値)であるため、5000経験点を失う。彼が経験点を支払った後、レベル調整値は±0まで軽減される。彼は現在、10000経験点を持っている。彼の有効キャラクター・レベルは5(2ヒット・ダイスと3クラス・レベル)に下がる。もし経験点を失っても彼が5レベルに下がらなくとも――たとえば、もし彼が6レベルに達する時20000以上の経験点を持っているなどした場合――総経験点は10000から5レベルの限界(訳注:14999経験点)以上は残らない。こうして、ノールは彼のレベル調整値を経験点で“返済”し、5レベル・キャラクターとなった。
同様に、6レベル(有効キャラクター・レベル8)になるドラウのクレリックは彼女のレベル調整値を+2から+1に軽減することができる。彼女は7000経験点を失い、有効キャラクター・レベルは7(クラス・レベル6とレベル調整値+1)となった。彼女が9つ目のキャラクター・レベル(有効キャラクター・レベル10)を得る時、さらに9000経験点を失うことでレベル調整値を±0(有効キャラクター・レベル9)に軽減することができる。
表面上、この取り引きは不利なものに見えるかもしれない。ドラウのクレリックは16000経験点を失い、総クラス・レベルは仲間よりも下がっている。しかし、これから、彼女はレベル調整値を持たない状態で成長できる。成長速度が調整される経験点システムの法則にのっとり、彼女はすぐ他のパーティと肩を並べるまでに成長し、206000経験点(19000経験点と失った16000経験点の分)を稼いで20レベルになるだろう。もしこの選択ルールを使用しなかった場合、彼女が20レベル(通常のレベル調整値+2を足した、有効キャラクター・レベル22)へと達するには23100経験点が必要となる。