危険なクリーチャーと厳しい周辺環境に加え、宇宙の探検家は異星生物――彼らの超自然さゆえに生命を感じさせない姿をした、物騒で危険な存在――と渡りあわなければならない。
異星生物による禍はクリーチャーというより罠のように扱われる。これらは脅威度を持ち、英雄たちは生き延びたり克服することで経験点を得る。異星生物による危険は腐食性スライムの水たまりや生物が持つ熱を養分とする菌類かもしれない。それは本来、強い捕食性を持たない危険ではないものである。
2種類の危険な異星生物をここに記述する。
エンドサーミック・モールドは熱を養分とし、その周辺のあらゆるものから熱を吸収する。エンドサーミック・モールドは直径5フィートの赤茶けた斑点で、半径30フィートは常に冷たい。5フィート以内の生きたクリーチャーは3d6点の非致傷な[冷気]ダメージを受ける。火気を5フィート以内に近づけた場合カビの大きさは即座に2倍となる。 エンドサーミック・モールドによる直径5フィートの斑点は5点以上の[冷気]ダメージで破壊される。
ここでは、エクストラテレストリアル・テンプレートとスペース・クリーチャー・テンプレートという2種類の新しいクリーチャー・テンプレートを紹介する。
“エクストラテレストリアル”という言葉は他の天体からやってきた生物を指すために用いられる。宇宙旅行のできる地球外生物はほとんどの場所で遭遇することができる。ある者は友好的な探検家、またある者は征服や植民地化を目的として。他には単純にある天体からやって来る捕食者である。
「エクストラテレストリアル」はあらゆる生きているクリーチャー(「基本クリーチャー」として継承される)に追加できるテンプレートである。クリーチャーは元の種別を保持する。ここに書かれている以外は基本クリーチャーのデータと特殊能力を使用する。
脅威度:基本クリーチャーと同一だが、下記される特殊能力で変更される。脅威度の総計が分数の場合、最も近い整数まで切り上げるか切り捨てること。たとえば、エクストラテレストリアルの特徴でブレス攻撃(+2/3脅威度)、外皮強化(+1/3脅威度)、そしてパワー抵抗(+1/3脅威度)を得た場合の脅威度修正は+1となる。
速度:エクストラテレストリアルは基本クリーチャーの移動能力ひとつを他の、穴掘り、水泳、登攀、または飛行に変更できる。
穴掘り:エクストラテレストリアルは基本クリーチャーの基本移動速度から半分の速度で穴掘りによる移動ができる。
水泳:エクストラテレストリアルは基本クリーチャーの基本移動速度と同じ速度で水泳による移動ができる。それは〈水泳〉判定に+8の種族ボーナスを得る。
登攀:エクストラテレストリアルは基本クリーチャーの基本移動速度に等しい速度の登攀による移動ができる。それは〈登攀〉判定に+8の種族ボーナスを得る。
飛行:エクストラテレストリアルは基本クリーチャーの基本移動速度から2倍の速度で飛行(貧弱な機動性)による移動ができる。
特殊能力:エクストラテレストリアルは基本クリーチャーが持つ特殊能力をすべて保持する。それはさらにひとつ以上の特殊能力を、以下のリストから選択できる。
特殊能力 | 脅威度修正 |
---|---|
鋭敏嗅覚 | +1/3 |
エネルギー抵抗10 | +1/3 |
外皮強化 | +1/3 |
擬似感覚 | +1/3 |
強酸性の血 | +1/3 |
高速治癒5 | +2/3 |
サイオニック能力 | +1/3 |
死にぎわの雲 | +2/3 |
ダメージ減少5/- | +2/3 |
パワー抵抗 | +1/3 |
ブレス攻撃 | +2/3 |
有毒な噛みつき | +2/3 |
鋭敏嗅覚(変則):この能力はクリーチャーの脅威度を+1/3する。
エネルギー抵抗(変則):エクストラテレストリアルは1種類のエネルギー([音波/衝撃]、[酸]、[電気]、[火]、または[冷気])に対する抵抗10を得る。エネルギー抵抗はクリーチャーの脅威度を+1/3する。
外皮強化(変則):基本クリーチャーの外皮を+3する。これはクリーチャーの脅威度を+1/3する。
擬似感覚(変則):擬似感覚はクリーチャーの脅威度を+1/3する。
強酸性の血(変則):エクストラテレストリアルは強酸性の血を持つ。それがダメージを受けるたびに、すべての隣接するクリーチャーと物体にしぶきを浴びせて[酸]ダメージを与える。クリーチャーの3ヒット・ダイス(切り捨て)ごとに1d6点のダメージを与え、最大は5d6点である。反応セーヴ(難易度15)に成功すればダメージは半分になる。強酸性の血はクリーチャーの脅威度を+1/3する。
高速治癒(変則):エクストラテレストリアルは高速治癒5を持つ。エネルギー抵抗はクリーチャーの脅威度を+2/3する。
サイオニック能力(擬呪):エクストラテレストリアルは2レベル以下のパワーをひとつ得る。このパワーは1日3回まで使用できる。この能力はクリーチャーの脅威度を+1/3する。
死にぎわの雲(変則):エクストラテレストリアルは死亡するときに、占有しているマスと10フィート以内を満たす有毒ガスの雲を放出する。雲の範囲内にいるすべてのクリーチャーは頑健セーヴ(難易度10+死んだクリーチャーのヒット・ダイスの1/2+死んだクリーチャーの【耐久力】修正値)を行い成功した場合は初期ダメージと予後ダメージの両方(どちらも1d6点の【耐久力】ダメージ)を無効化する。死にぎわの雲はクリーチャーの脅威度を+2/3する。
ダメージ減少(変則):エクストラテレストリアルはダメージ減少5/-を得る。ダメージ減少はクリーチャーの脅威度を+2/3する。
パワー抵抗(変則):エクストラテレストリアルはヒット・ダイスに等しいパワー抵抗を得る。パワー抵抗はクリーチャーの脅威度を+1/3する。
ブレス攻撃(超常):1d4ラウンドごとに、エクストラテレストリアルは30フィートの円錐で[火]か[冷気]、または60フィートの直線で[酸]か[電気]のブレス攻撃を行なうことができる。ブレス攻撃は効果範囲内の敵すべてに選択されたエネルギー種別で、クリーチャーのヒット・ダイスあたり1d6点、上限15d6点のダメージを与える。対象は反応セーヴ(難易度+10+クリーチャーのHDの1/2+クリーチャーの【耐久力】修正値)に成功すればダメージは半分になる。ブレス攻撃はクリーチャーの脅威度を+2/3する。
有毒な噛みつき(変則):エクストラテレストリアルの噛みつき攻撃は毒を含んでいる。(噛みつき攻撃持つリーチャーのみがこの能力を選択できる。)頑健セーヴ(難易度10+クリーチャーのヒット・ダイスの1/2+クリーチャーの【耐久力】修正値)に成功すれば効果は無効化される。毒のダメージは、以下のように変更できる。ランダムに決定するかクリーチャーにもっとも適合するものを選ぶこと。有毒な噛みつきはクリーチャーの脅威度を+2/3する。
d% | 初期ダメージ | 予後ダメージ |
---|---|---|
01-17 | 1d6【筋力】 | 1d6【筋力】 |
18-34 | 1d6【敏捷力】 | 1d6【敏捷力】 |
35-50 | 1d4【耐久力】 | 1d4【耐久力】 |
51-67 | 2d4【判断力】 | 2d4【判断力】 |
68-84 | 2d4【魅力】 | 2d4【魅力】 |
85-100 | なし | 1d6時間の麻痺 |
特技:エクストラテレストリアルは基本クリーチャーが持つ特技のひとつを《Planetary Adaptation》と入れ替えてもよい。基本クリーチャーが特技を持っていないなら、《Planetary Adaptation》をボーナス特技として得ることはできない。
スペース・クリーチャーは宇宙空間の冷気と真空に耐えることができるかずっとそこに住んでいる異形の存在である。スペース・クリーチャーはしばしば彗星や小惑星で冬眠している。他のものは食事を求めて外宇宙をさまよい、ときおり食料が豊富な惑星に(彼らが安全に着陸できる手段を見つけたなら)降下する。スペース・クリーチャーは宇宙飛行士や停泊中の宇宙船を脅かすこともある。すべてのスペース・クリーチャーが飢えとまことの悪意を行動原理としているわけではない。他には純粋な好奇心や友好関係を結びたいという行動原理を持つものもいる。宇宙というものは、広大で孤独な場所なのである。
「スペース・クリーチャー」はあらゆる生きているクリーチャー(「基本クリーチャー」として継承される)に追加できるテンプレートである。クリーチャーは元の種別を保持する。ここに書かれている以外は基本クリーチャーのデータと特殊能力を使用する。
脅威度:基本クリーチャーに+1する。
移動速度:宇宙空間と他の無重力環境で、スペース・クリーチャーは基本移動速度に等しい飛行速度(完璧な機動性)を得る。
特殊能力:スペース・クリーチャーは基本クリーチャーが持つ特殊能力をすべて保持する。それはさらに以下の特殊能力を得る。
暗視(変則):スペース・クリーチャー120フィートの暗視を得る。暗視は白黒だが、その他は通常の視覚と同じである。
エネルギー抵抗(変則):スペース・クリーチャーは[火]と[冷気]に対する抵抗20を得る。
真空空間生存(変則):スペース・クリーチャーはそれ自身が酸素を供給できるか呼吸を必要としない。それは大気が存在しない環境で生存することができる。
放射線抵抗(変則):スペース・クリーチャーはあらゆる放射能汚染に対するセーヴに+8の種(Species)ボーナスを得る。
能力値:以下の修正をスペース・クリーチャーの能力値に適用すること。【筋力】-2、【耐久力】+2。
特技:スペース・クリーチャーはボーナス特技として《Zero-G Training》を得る。