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託された言葉

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ロンに電話が入る。相手は佐藤と名乗るニューロで、ビズにしくじりポケットロンの持ち主であるジョニーという男に助けを求めていたようであるが、今持っているのはロン。

仕方なく佐藤はカフェー仲間のマークに助力を求め、ついでにジョニーの代役をさせるためビズとしてロンに報酬を約束する。合流する二人。

佐藤は今までとは比べ物にならないヤマにぶち当たり、追われる身になったと二人に説明。下手を打てば世界が動くそのネタを二人に喋っていたその時、ロンは何者かから逆探知もできない完全な偽装がなされたゴーストハックを受け、意識を失う。

ニコライとエミリオはローンスターの分署で待機任務。暇だし殺しでもおきてくれんかとニコライが愚痴っていると港で死体が揚がったとの報が入り、ニコライはそこらの巡査を小突いてパトカーを運転させ、エミリオはウェブに接入する。

現場。ニコライが遺体を見聞しに行くと突然クグツ風の男から路地に引き込まれ、銃をつきつけられる。反対に胸倉を掴んで締め上げていると、男の瞳孔がかっと開き、全身から力が抜けた。

死んでいる。

モニタしていたエミリオから茶化されながら慌てて応援を呼ぶニコライ。

マークは自宅のDAKから情報処理局のオペレータを呼び出し、佐藤が最後に言ったレイチェル・ゴールドマンを調べる。新星帝大の理工学部に籍を置き、千早のエグゼクを父にもつ娘。レイチェルの写真をプリントアウト、アドレスをIANUSにダウンロードし、待っていたロンと共にタクシーを拾ってグリーンにあるゴールドマン家に向かう。

ニコライは鑑識から死んだ男の話を聞いていた。哀れなクグツはIANUSを灼かれてフラットライン。ニューロ絡みのヤマらしい。

警察のデータベースを洗うエミリオ。水死体の身元はカルテデータなどからロバート・ゴールドマンと判明。技術者上がりで兵器開発部門に所属、軌道派だったが何か秘密を握っていたとある。

彼には娘がいるらしい。千早の内紛が関わっていると上司の耳も遠くなり、好き勝手できると俄然張り切るニコライ。可哀想な巡査をせっついてゴールドマン家に向かう。

ゴールドマン家。マークが天上人の威厳でレイチェルを説得している間、周囲を嗅ぎ回っているロンは老若男女がマシンガンを持ちゴールドマン家を包囲するのを目撃する。そこにサイレンもけたたましく飛び込んでくるローンスターのパトカー。

会うなりレイチェルに同行を求め、マークを怪しむニコライだが彼の素性を聞きなあなあのうちに全員を一端ローンスターで保護することに。

パトカーに乗り込もうとしている三人に向かって発砲されそうな気配だったので、ぞろぞろ集まっていた兵士を氣で転がして注意を向ける。

その隙と、威嚇射撃と言い張り確実に敵を仕留めるニコライのおかげで三人は無傷のままパトカーに乗り込み、発進。十字砲火されるパトカーを泣きながら操る巡査の前に、車線逆行で迫る車。

慌てて対向車の制御システムを乗っ取り、近くの塀に激突させるエミリオ。

一人で襲撃者をあらかた片付けたロンの前で爆発。へしゃげたドアを蹴り飛ばして現れるはこれまた会社帰り風のクグツ。燃えるスーツの炎をホコリでも掃うかのように消すと、ロンに向かって構えた。

それを見て取り巡査に二人を任せ車から飛び降り、助太刀に入るニコライ。エミリオもニコライの五感を読み取り加勢する。

さらりまんの手刀で胸を貫かれながらも、彼の技を返し反撃するロン。足を切り裂き転倒させたところでニコライの銃弾が肩から首をお別れさせ、刺客は絶命。

刺客の首を証拠物件として押収するニコライ。

それを上空から睥睨する一室で彼は舌打ちをした。

折角壱式の目を借りていたのに。任務の合間に愉しむショウが台無しではないか。

だが、慌てることはない。駒はまだ掃いて捨てるほどあるのだ。

適当なIANUSをひとつ選ぶ。貧弱なプロテクトなど意味をなさず、名も知らぬ民のプライバシーが開陳される。

情報など必要ない。これは駒である。

壱式をアップロード完了。

そして駒は盤に戻る。

ローンスター分署。エミリオは本庁のギガトロン、マークは本社のοシステムでそれぞれ洗えるだけの情報を洗っていた。暇そうに見ているのはロン。

その間にニコライはレイチェルとロバートを引き合わせて身元を確認させ、鑑識の部屋で落ち着かせるためにコーヒーを飲ませていた。妙な仕草で指を動かすレイチェル。それが何を意味するかはわからないが、何か引っかかるものがある。

情報は座っていても二秒で集まる。オペレーションルームのスクリーンに次々と投影される情報。

ロンが以前手合わせした武闘家が名乗っていた名と同じ名を持ち、IANUSに感染するウィルス、クサナギ。

ロバートが千早のメインフレームに不正アクセスしていた痕跡。最悪、千早の防壁を抜いてやると息巻くエミリオ。

それぞれが思い思いに嵐の前の一時を過ごす。

上層部では不良警官、ニコライ・葛木の懲戒処分についての話が持ち上がっていた。しかし、ローンスター株を大量に保有するロシアンマフィアのドンと、ヤクザのボスはそれに圧力をかけて握りつぶす。

本庁のデータベースを流れるストリームからそれを読み取ったエミリオはそれを一同に知らせる。早速マークはイワサキ幹部会を招集。ニコライの処分決議案を仕掛けてきた相手のアドレスを割り出す。

天津征司。存在しないはずのSランクID所持者、天津の一族である。

臆することは無い。叩き潰すまでとたっぷり十分かけて宣言し、マークの指示で一気に仕掛ける。

イワサキの圧力を使い、篁会長を泣き落とし、関口局長を動かし、天津の情報をウェブでばら撒き、対抗して放送チャンネルをシステムダウンさせればイワヤトの非常チャンネルを開き、イワヤトを買収すればその工作現場を捏造映像まで挿入してセンセーショナルに報じ、何枚もの逮捕状が乱舞する。

その結果、末端だけだが天津の者はその姿をさらし、社会により社会から消される。

それだけの攻防にも十分はかからない。全ては情報の奔流に細工をするだけなのだから。

事を済ませ、篁会長に一言謝り返事も聞かずポケットロンのスイッチを切るマーク。

二秒後、メールで返事が届く。

ニコライがレイチェルの手遊びについて話すと、勘のいいエミリオがそれは何かの設計図ではないかと察する。ウェブで調べると、ロバートは研究室時代、人間の脳そのものをメディアとしたウェットな記憶システムの開発について研究していた時機があった。

ロンの取り出した見るからに怪しいエリクサ。彼によると人の記憶に作用する薬らしい。何かを覚悟したレイチェルがそれを飲むと、凄まじい速さでノートに図面を書く。

そして、最後のページにはロバートからの遺言。

千早軌道派と日本拡大派が結託して作り出そうとしている全く新しいアーキテクチュアのウォーカー、アベンジャーの設計図。その半分をレイチェルの記憶に。

そしてもう半分は行きずりのデータカウボーイ、佐藤に。

最後に綴られるものは、娘への詫び。

黙ってノートを灰皿に入れ、マッチで火をつけるマーク。

一息ついてボックスから出てきたエミリオの背中を、暗い影がよぎったと思うと鈍い音を立てて着地。それの持つ盾はエミリオの背を貫通するはずだった銃弾が受け止められた。

ウォーカーである。

マークのポケットロンが鳴って岩崎御庭番衆が到着を伝え、輸送機のエイのような機影がエリア上空を旋回する。チョッパーに署長とレイチェルを乗せ御庭番衆の飛行空母に収容させるマーク。

外界の喧騒に乗じ、署内システムを乗っ取るウェブからの侵入者。全署員にクサナギの転送を開始。エミリオ必死のタッピングでクサナギに対し防壁を張ると、敵はモニタに姿を現す。

天津の紋章。

エミリオは躊躇無くじゃじゃ馬部隊を呼び寄せる。目標は隣のビル。

マークはマイクを使い、聞いているはずであろう侵入者に何事か囁く。慌てて回線を切り逃げ出す敵。

次の瞬間、近隣建造物がそれだけで破壊されそうな轟音が響き。隣のビルに陣取っていた最後のクサナギは屋上ごと蒸発。おわり。

全てが終わり、別れ際にマークは信頼の置ける催眠術師をレイチェルに紹介。彼女の記憶からアベンジャーのデータが引き出されることはまず無いはず。

ニコライはウェブに接入。方法論は生身で潜入工作する時とかわらない。見つからない、跡を残さない。これだけだ。

光の中を一筋のカゲが疾り、天津のギガトロンから佐藤のゴーストを開放。戻る。

警官二人組は怒髪天を衝く勢いの署長から説教を受けた。いつものことだ。

軽く聞き流してまた殺しでもおきねえかと愚痴るニコライ。これもいつものこと。

何か思い出したようにポケットロンを取り、アドレスをコール。

ホワイトのカフェーでくつろいでいたマークのポケットロンが鳴る。

ニコライがスキヤキでも奢れと言う。

苦笑してοにアクセス。自由資金を引き出しIANUSにダウンロード。

結局、四人と佐藤は料理屋で宴会。佐藤は豆腐だけ。

佐藤のポケットロンにコール。また大きなヤマのようだ。コートを握って飛び出そうとする彼は躊躇し、座敷の隅にあるジャックにプラグを差し込む。

彼はまだ豆腐を食べたいらしい。

RL'z Komment

見事に推奨キャストと出てきたキャストがバラバラだったのでなんだかシナリオの原形止めてない感じになったですぅ。

アマテラスの設定も使わなかったのでリサーチ項目とイベントくらいしか使ってないですぅが、襲撃から真相解明、クライマックスと畳み掛けるように展開できる構造はうまく出来てたと感じたですぅ。

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